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2018.07.08 (Sun)

≪背中の靴跡シリーズ≫ 『一歩先へ vol.7』~『1つだけの願い』番外編~

まだ雨が続いて不安な時間を過ごされている方々、心よりお見舞い申し上げます。
すっごい雨でした。川が氾濫しなくて良かったです。金曜日から(子供も含めて)自宅に缶詰状態で、警報や避難勧告、避難指示で携帯はひっきりなしに鳴ってましたしイロイロとしんどい週末でしたが、今朝晴れてたので気分も明るくなってきましたー!
まぁ、我が家は自宅待機が出来てたんで、避難所行かなくちゃいけない人よりも断然恵まれた環境だったんですけどね。避難指示で避難所に缶詰だった方々は本当に大変だったと思いますし、被災された方は…言葉もありませんが、心よりお見舞い申し上げます…。
来週は1週間かなり晴れ予報だったと思うし、ようやく夏到来でしょうか?(とはいえ、京都の梅雨明けは祇園祭がセオリーではあるんですけどね((((^^;))
皆様の気持ちもカラリと晴れますように…。



≪ 一歩先へ~vol.7~ ≫背中の靴跡シリーズ『1つだけの願い』番外編

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さてこちらは入浴中の郁ちゃんと柴崎。……この後、手塚は柴崎と、ちゃんと心と体を通わせられるのでしょうか?






【More・・・】

≪ 一歩先へ~1つだけの願い番外編~vol.7 ≫背中の靴跡シリーズ


「――――ああもうッ、止めなって!」
郁に手首を掴まれて止められた。それでもなぜか聞き分けのない子供のように抵抗してしまう――――もっとも、郁に敵う訳もなく身体を洗うスポンジを容易く取り上げられてしまうが。
「~~あー…、ほら、綺麗な胸が赤く擦れちゃってるじゃない!」
「いっ、いいのッ!! ヤダ…ッ…! まだ汚……っ」
「ダ・メ! もうそこはちゃんと洗えてる――――ほら、あたしが洗ったげるから……綺麗な肌を痛めつけてどうすんの」
あまり見たくもない自分の裸――――男受けするだけの豊満な胸元の下、鳩尾の部分には青痣がまだ残っていて異様だし、痣だけじゃなくて鏡には映らなくても柴崎の目には自分の胸がドス黒く汚らしい汚れに覆われているようにしか見えない。
……事件後初めての入浴ではないが、それでもまだ、自分の身体は醜く汚れているようにしか見えない。
洗っても洗っても――――穢れは身の内から沁み出て、穢れた身体は一生綺麗になることはないのだと思い知らされる。
取り上げられたスポンジで郁が背中を優しく洗ってくれる――――それなのに泣き出しそうだ。
「……も……、いい……」
「この前、熱の時に汗掻いたしねー、ちゃんと流しとこう――――ホント、麻子は綺麗だねェ……」
ほう、と感嘆の溜息まで漏らしながら褒めてくれる郁の言葉に八つ当たりだ。
「~~~~綺麗じゃない…ッ! ~~もういいッ、こんなことしたって綺麗になんかならないッ!!」
「なんで? すっごく綺麗だよ。雪のように白くて肌も滑らかで柔らかくて…………」
「綺麗じゃないッ!! 汚い…ッ!!」
自分でも嫌になる程、癇癪が抑えられない。
郁の手を払い除けようと思って立ち上がった途端、立ち眩みに足元がふらつく。
アッサリとそんなあたしを支えて「ほらほら……もう終わるから大人しくしてなって」と事もなげに郁はまたあたしを座らせると、お湯で身体を流してくれた。
……情けなくて、みっともなくて、泣きそうだ。
必死に涙を堪えるのが精一杯。
郁にされるがままに入浴を済ませた。
新しい襦袢、新しい衣服を身に纏うと、ほんの少しだけ気分がマシになる。
穢れた自分ではあるけれど、外見くらいは整えようと、肌の手入れや髪の手入れをしようという気になるくらいには……。
郁が教えて欲しがるから、手入れの方法を教えてあげながら、少しゆっくりと自分の素肌に手を加える。
郁も横で一緒になって手入れをしながら、それでもやっぱりあたしを褒めて来るから「アンタの方が綺麗よ」っていうのに聞かない。
「えー? あたしなんて体型はツンツルテンだしさぁ」
「余計な脂肪が一切ない、筋肉が綺麗に付いた極上の身体しといて何言ってんの――――あたしの理想の身体はアンタよ」
「ええ?!?! な、なななに言ってんの?!?!」
「ホントよー。あたし、あんたみたいに、戦闘向きの身体になりたかった」
「…………ほ、褒め…てんのかな、それ?」
「本当に褒めてるわよ! ……あたし……光を守り切れるくらいの力が欲しかったんだもの」
「守ってたじゃない――――麻子はずっと、手塚のこと守ってたじゃない」
「……ううん……体力的にも、力的にも、あたしは精鋭部隊の皆には遠く及ばないもの――――それはずっと自分でわかってたから。でも、郁は精鋭部隊の中でも全然、他の皆に見劣りしなかった――――羨ましかったの」
「~~そ、…そう…かな?」
照れたように前髪を触る郁は可愛かった。
「そうよ。――――このあたしが、唯一羨ましいって思った存在なんだから、郁はもっと自分に自信を持ちなさいよ。堂上少将も、そんなアンタに惚れたんだからね」
そう言うと、郁の顔が赤く染まる。

…………可愛いなぁ…………

可愛い郁。
運動能力に長けて力もあって、でもとてつもなく可愛い郁。
郁になら手塚を――――とまで思ったこともある。
でも、そうはならなくて――――…。
けど。
でも。
やっぱり。
――――あたしは、だめだ。
だめ。
…………ふいに、ズキンッ、と胸が痛んで思わず押さえた。
郁に気付かれないように、呼吸を必死に整えようと焦る。
だけど思うようにコントロールが効かない。
「――――けど――――けどやっぱり、あたしも堂上少将には守られっぱなしだよ。麻子は褒めてくれるけど、やっぱりあたしも全然だし――――もちろんあたしだって堂上少将を守りたいって思ってるし、その為の努力はしてるけど、けどやっぱり守られることの方が多いし――――守って貰えることには素直に感謝の気持ちを持ちたいとも思うんだー。もちろん、もっともっとあたしも頑張らなきゃって訓練に励むんだけどさ」
そう言って振り向いた郁は、柴崎の様子に顔色を変えた。
「麻子っ、大丈夫? 苦しい?」
……だめだ、だめ、……だめ……
繰り返すのに、頭に浮かんだ手塚の面影が消えなくて苦しい。
頭に浮かぶ手塚は、あたしに手を伸ばしてくる。
あたしを呼んで、あたしを見つめて、あたしに近づいて……
…………ダメ…………来ちゃ、だめ。

あたしは相応しくない。

力もないし、何も持ってない。
その上、汚れて。
男を狂わす厭らしい身体――――そんな身体でも利用価値があるんだなと、情報を集めるために利用した。
寄ってくる男にベラベラ喋らせて、酒に酔わせれば、あたしの能力でも逃げられる。
忍びの技術も役に立った。
――――もし、あたしが失敗して穢されたら――――手塚には婚約解消をして貰えばいい……
気楽にそう思ってた。
本気でそう思ってた。
なのに。
いざ穢れて、手塚の手を振り解こうとして――――平静でいられない。
淡々と告げるべき『婚約解消』を、涙ながらに声を震わせながらしか言えなかった。
そんな姿を見せたら優しい光はあたしを捨てられないだろう。
わかっているのに、あんなふうにしか告げられなかった。
もっと。
ちゃんと。
光を、切らないと。
あたしから、光を解放してあげないと。
…………なのに、浮かぶ光の面影に、呼吸も出来ない。
苦しい。
苦しくて、何も出来ない。
…………弱い。
…………情けない…………
こんなあたし……だめだ。
だめ。
だめなの。
あたしなんか。
あたしなんか、だめだよ。

だめだよ、……ひかる……

「…………る……」
「~~麻子?! ~~よ、よかっ…たぁ……、また発作起こ…ッ…、もう心配…したんだからね!!」
朦朧とする視界はまだぼやけていて……郁の声だとなんとか理解する。
また過呼吸発作を起こしたんだろうか……酷く身体が重い――だけどしっかりと抱きかかえられている身体は温もりに包まれていてホッとする。
身を委ねたまま目を閉じた。
もう少しだけ……なんて、珍しく甘えの感情に身体が従ってしまう。
「~~麻子……」
「……大丈夫だ。……このまま少し寝かせて様子を見る」
心配そうな郁の呟きに重なるように、もう1つ郁ではない低い声――――違和感なくその声に安堵して――――呆けた頭で誰だったか……と思った瞬間にガバッと目を開けた。
飛び起きようとしたのに眩暈がして、顔を埋めてしまう。
――――光(ひかる)の香りで鼻腔が満たされる。
あたしを抱き締めているのは、郁じゃなくて光だ。
くらくらする――――くらくらするのに、酷く落ち着く。
「……ばか……もうちょっとこのまま、落ち着くまで寝てろ」
鼓膜を擽る優しい低音。
「~~~~だ…っ、だだ、誰が…っ、だれがッ…バカ…っ――――」
「お前だよ。――――また発作起こしたんだ……ちょっと安静にしてろ」
「~~だだだいじょうぶよ…っ、…もう…っ」
「どこが大丈夫なんだ? まだ顔色悪いぞ」
「~~だ……いじょう、…ッ」
言いかけて、怖いくらいあたしをジッと見る光の視線にぶつかって、慌てて目を逸らす。
~~~~や…だ…ッ…、ヤダ…ッ…!
駄目だ、と湧き上がる感情に任せて暴れる。
――――感情が制御出来ない。
湧き上がる感情が羅列する。
情けない。
悔しい。
無様。
醜い。
汚い。
穢れてる。
汚らわしい。
不潔。
目の奥が熱くて、誤魔化す為に必死に暴れる。
とにかく、光から離れないと、とそのためだけにあらん限りの力で手足を動かす。
なのに、グッと抱き締められて――――。

…………え…………

手足の動きを封じられ……ううん、それより。
一瞬、訳がわからず――――だけど、すぐに唇も同時に封じられたのだと気付いた。
あ、と思った時には、その一瞬で光の舌が入り込む。
竦むあたしの舌を探るように踏み込まれ――――絡み取られて鼻から吐息が漏れる。
その音にも恥ずかしく、熱くなる身体――――なのに、光は離してくれない。
弄られているのは口内だけなのに、舌、口蓋、歯列……執拗に責めてくる光の舌に、意識が翻弄され漏れる鼻からの呼吸に喘ぎが混じり、時折全身が震える。
熱い……溶け落ちそうに熱い…………。
まるで溶け合おうとでもしていたかのような舌の絡み付きをようやく放してくれた時には、身体にまるで力が籠らなくなっていた。
抵抗する気力もなくなっていて、荒く上下する胸を視界の端に入れながら、光に身を委ねるしかなかった。
光の熱っぽい瞳――――
見つめ返せずに、伏せるように光の胸に顔を寄せる。

「~~~~あ…っ…、あのッ、そそそろそろ…あたし行くねっ!」

完全に裏返った郁の声に、ハッとして身体が強張る。
~~~~ゃ、や…だ…ッ、みみ、見られ…っ…、
すっかり郁の存在を忘れていた。
郁はさぞかし困っただろう――――。
「~~あ、ああ……すまん、後は俺が……」
「う、うんっ! ~~ああ、あとは、よろし……あっ、こ、ここーゆー時って――――そ、そのっ、ががが頑張ってネ?!」
「~~~~ッ、~~や、やかましいッ!」
「なななによソレっ! 人がせっかくエール送ってあげてんのにッ!!」
「そんなモン要るかッ!!」
「ええええ――――ッ?!」
やるか手塚ッ、と啖呵を切りかけた郁に、「おーい笠原ぁ。1週間後に迫った外交交渉の席での警備体制についての話があるから、すぐ来い」といきなり扉が開いて進藤が声をかけた。
……見れば、進藤の背後で小牧が腹を抱えて笑ってる。
進藤の顔も、必死に堪えているらしく笑いに歪んでいた。
突然の横槍に、ハッと我に返ったらしい笠原は、「……あ、……は、ハイ…ッ」とぽっと顔を赤らめながら、いそいそと進藤の後についてゆく。
扉の所で振り返ると、手塚に向かって凝りもせず『ガンバって』なぞと口パクで言って出るから、手塚の眉間が寄る。
溜息を1つ吐いて気持ちを切り替えると、麻子を抱いたまま軽々と麻子の部屋へと運ぶ。
ゆっくりとベッドに下ろす――――麻子はバツが悪そうな表情で、頑なに手塚の方を見ない。
それに構わず、手塚もゆっくりとベッドに乗り上がった。
麻子を下ろしても鳴らなかったスプリングが、手塚の重みにギシリと軋んだ。
驚いたように麻子が振り向く――――顔を正面に向けた時には既に、手塚が麻子を囲って見下ろしていた。
――――戸惑った、麻子の顔。
怯えてはいない。
「~~~~な…なに? もう…だいじょうぶよ。…………このまま、大人しく寝てるわ」
そんなことを言う麻子の言葉に、本当に麻子は『性交(セックス)』というものを知らないんだな、と思い知る。
知っていたら男にこの体勢になられて、この危機感のなさはないだろう。
「――――本当に、もう大丈夫か?」
麻子の言葉を再確認する俺に、麻子が軽く癇癪を起す。
「~~大丈夫だって言ってるでしょ! ちょっと眩暈がしただけ――――笠原は大袈裟なの……平気よ!」
「笠原に心配かけてんのはお前だろ――――俺を避けてからお前、体調崩しすぎ」
「~~~~っ?! ~~そそそそんな……ことッ」
「『ない』とは言わせない――――2日前の高熱……ようやく下がったと思ったら今度は発作、発作で、どれだけ笠原や小牧夫人に迷惑かけてると思ってんだ?」
「~~~~~~~~っ!」
事実なので言い返せない麻子に、更に畳み掛ける。
「……言っておくが、婚約解消はないからな」
「~~~~な…ッ」
「レセプションの日――――あの日、俺達は夫婦になる約束をした」
「~~~~っ…! ~~あ、あああれは…ッ」
「本当ならあの日に夫婦になっていた――――お互いに確認したよな。
…………けど……あんなことがあって、……だから俺は我慢してた。けど、お前がもう身体は大丈夫だって言うんなら――――俺は今からお前を妻にする」
「~~~~なななに言っ――――」
反論しようとした麻子の言葉は、途中で別のことに気を取られて宙に浮く。
――――俺が、麻子の腰止めを解いたからだ。
気付いて焦ったように止めさせようと手を伸ばすが既に遅し。麻子の衣服の合わせを開く。――――桜色の襦袢が麻子の素肌を覆っている。
それだけで、ゴクリと喉が鳴りそうな色香が漂う――――なのに、麻子の手が衣服を元のように引き寄せようとするから、その手首を掴んでシーツに縫い付ける。
折れそうな細い手首に、慎重に力加減を調節して。
そのまま襦袢の紐に顔を落として、歯で挟んで引っ張り解く。
「~~~~っ……!」
これだけで、麻子の身体が震えるのがわかる――――堪える呼吸、身じろいで揺れる胸――――煽ってんのか、と勘違いしそうになる程だ。
絹で出来た紐はするりと解け、俺は麻子の両手首をシーツに押し付けたまま、襦袢の襟足を口に食んで開く。
休むためなので、襦袢の下は何も身に付けてはいなかった。
滑らかな、絹にも劣らない柔らかな白桜色の素肌が鼻先を霞め、花の香りに鼻腔が擽られる。
酔いそうで――――そのまま味わいたい衝撃に駆られて素肌に唇を這わせたいのを理性を総動員して堪える。
グッ…と我慢して顔を上げて――――その姿を見れたことにまた、感動すら覚える。
……美の女神とはかくや、という程の、美しい裸体。
女性らしい丸みを帯びた身体付き――――細い体幹にそぐわない豊満な胸の形は本当に綺麗で、先にピンク色の小さな蕾を付けて揺れている。
細い柳腰のくびれは妖艶で、その下にある臍の窪みは可愛くて弄りたくなる。――――更にその下は――――…。
ゴクッ、…と手塚の喉仏が大きく動いた。
正直、手塚の身体にドクンドクンと急速に血が滾り出す――――慌てて、誤魔化す為に口を開いた。
「…………綺麗だな…………」
我ながら情けないことに、そんなありきたりの言葉しか浮かばない――――だけど、どれだけ言葉を並べたって、麻子の美しさは表現できない。
なのに、手塚の言葉にビクッと身体を震わせたかと思ったら、突然、麻子の金切声が響いた。
「~~~~う…そ……ッ、ウソ、うそ、嘘ッッ!!! 嘘よッ!! こんな汚いッ…、穢れた身体ッッ!!!」
「綺麗だ――――本当に、」
「~~いやらしくて醜い身体でしょうッ?! ~~け…けがらわしくて……その上、ドス黒い痣までッ!!!」
麻子の言葉が湿り気を帯びて一瞬途切れた。
……もちろん、俺の目にもその痣や、胸の赤味(これは今しがた麻子自らが酷く擦ったためだとわかる)は最初から目に入っていた。欲望に走りそうになる感情を堪えることが出来たのも、この痛々しい痣や傷のお蔭だとも言える。
「綺麗だよ……綺麗で、そして、痛々しくて、悲しくて、悔しい――――俺のせいだ……」
鳩尾の青痣に、そっと労わるように唇を落とした。唇を離すことなく、そのまま大きな痣を癒そうとするかのようにゆっくり優しく辿る。
びくんっ、と麻子の身体が跳ねた。――――くすぐったいのか感じるのか、小刻みに震える。
「~~~~っ…、~~ぁ…っ、ヤ…ッ…」
震えながらも逃げようとしてか悶える身体――――優しく口付るだけのつもりが、そんな反応に煽られるように麻子の素肌に舌を這わせてしまう。……麻子の素肌からは甘くて甘美な花の香りがした。酔いしれるように、ずっと舐めていたくなる。
「~~や…っ…、ヤメ……ッ…」
抑えつけている麻子の手に渾身の力が籠って、折れそうで怖い。
理性を総動員して引き剥がすように唇を離すと麻子を見下ろす。――――乱れた吐息で恥じるように俺の視線から逃げる横顔に乱れ落ちる黒髪。肌の色がさっきよりもっと桜色を帯び、視界からも匂い立つような美しさ――――堪らない!
押さえていた手を、麻子の手首から掌にずらして指を絡ませると、麻子の耳元に顔を寄せる。
気配を察するのか、それだけで身を竦ませる麻子の可愛い反応に、また自身に熱が集まる。
すぐにでも触れたいのをグッと堪えて、麻子の耳元で囁く。
「――――本当に、綺麗だ……お前に、俺以外の人間が触れるとか……考えられない! ――――考えるだけでも耐えられない! 離れるなんて無理だし、俺はお前を離すつもりはない!
…………お前が自分を汚いって思うんなら、俺が全部塗り替える。お前を俺が、全部綺麗に上書きしてやる。
俺にはお前しか居ない――――命尽きるまでお前の隣に居るのは俺でありたい――――お前だけなんだ。
……頼むよ。俺にお前の全部……俺にくれよ……」
触れてはいないけれど、俺の言葉に、麻子の身体が震えたのがわかる程の距離――――。
少しの沈黙の後、しゃくりあげるような気配がした。
視線を動かした先に、涙が零れ落ちるのが見えた。
「……っ……あ……たしっ、…で、い、…………いい、の…っ…?!」
完全な濡れ声。
俺の口元が緩んだ。
「――――お前がいい――――って言うか、俺は、お前しかいらない」
「~~~~っ……、~~あ、ああた…っ………うわああああああ!」
突然、子供のような泣き声になった。
顔をくしゃくしゃにして泣いている――――それでも可愛くて仕方なくて、ただただ愛おしさしかない。
溢れる涙に口付けながら、片手を離して麻子を抱き締める。
離さない、と証明するように麻子のすべてを包み込むように、背中から頭まで――――。艶やかで柔らかな髪に触れると慈しむようにずっと撫でてやる。
泣きながら麻子も、解放された小さな手を手塚の背中に回してしがみ付いた。
保護された子供のように必死に縋る気配に、嬉しくて笑みが零れる。
頑なで意固地で意地っ張りで、大事な可愛い麻子。
こんなに大切な人を離せる筈がない。
麻子を宥めながら、顔中にキスの雨を降らせる。
ようやく少し落ち着いてきた麻子が、しゃくりあげる気配に笑みを零す。
散々泣いて、どうやらしゃっくりが止まらなくなったらしい。
放心したように、手塚の背中に回していた手もいつの間にか下ろしてベッドにくたりと沈んでいる麻子。
少し顔を上げて見下ろすと、涙でぐちゃぐちゃになった顔を顰めて、逃げるように顔を背けた。
――――そんな顔でも可愛いとしか見えないのだから、惚れた弱みだろう。
「……凄い勢いで泣いたなぁ」
手塚がそう言って笑うと、噛み付くように麻子が唸る。
「~~~~う、うるさい…っ……」
「――――しゃっくり、止めてやろうか?」
「~~~~ッ、~~よ、よけいなお世話…っ」
まだ言い終わらぬうちに、言葉は途中でぶった切られた。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。
視界は認識出来ない程近く。
唇に、唇が重なっていた。
――――と気付いた時には、開いていた唇から光の舌が既に入り込んでいて、舌を絡み取られていた。
「~~~~っ、……んッ……!」
驚きに縮んだ舌に導かれるように、光の舌が口内深くに侵入し、貪る。
執拗に、ご丁寧に角度や向きまで変えて、時間をかけて口内を犯される。
~~~~な…っ…、ななに…これ……っ…
急に身体が熱くなる――――呼吸が乱れているせいだけではなく、無意識に体中に震えが走る。
止まった筈の涙腺がまた緩んでしまう。
必死に顔の向きを変えて逃げようとするのに、光から逃れられない。
絡み纏わり、執拗に責められる。
苦しげな喘ぎが鼻から零れた――――と、恥ずかしいようなリップ音と共に、光の唇が離れてゆく。
~~~~はッ、……は…ぁ…っ……
肩で息を吐けば、目尻から涙が零れたのがわかった。
――――恥ずかしい…………。
泣いてるところなんて見られたくない――――と慌てて空いている手で拭おうとしたのに光の手が絡め取ってベッドに戻される。
睨もうとしたのに光の目はあたしの胸元で――――厭らしく不潔な胸を見られていると思うと羞恥に顔が熱くなる。――――ようやくあたしの視線に気付いたらしい光は、顔を上げて困ったような顔をした。
「……お前が一番気にしてるみたいだから……胸から触れようと思うけど、ひょっとしたら沁みるかも――――お前、自分で自分の身体……虐めすぎだ」
……言われた意味がわからなくて返事が遅れた。
「……優しく触れるつもりだけど……痛かったらごめん」と呟きながら、光はあたしの胸に顔を埋め――――穢れたあたしの胸に躊躇なく口付けを落とした。



……To be continued.



********************



……ようやく! 次回は鍵付きです。

…………そういや、なんか……R書くのも久しぶりなんで、緊張する!(笑)
このパラレルの2人は処女と童貞という初々しすぎる2人なんで、いろいろと丁寧にするつもりでーす(軽★笑)。






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07:29  |  *『図書館戦争』二次小説  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

★なるほど、勉強用かぁ…教科書ってことですね(苦笑)

ママ様

そうですねー。
強がり、弱いトコロを見せない主義の柴崎だったし、相手は相手で処女とは思ってないから、「え?」って思ってる間にどんどん進んでて、「これって…」って思った時にはもう、、、だったかもですねー。
郁ちゃんの囮捜査は、堂上さんの思考を柴崎が言葉にした「その場でひっぺがしたいくらいだったでしょーよ」という言葉がかなりツボで。
(すみません、深刻な話題なのに、こんな切り返しで)
いや~~、堂上さんの独占欲の強さをあれでホント見せつけられた感が凄い私でした。
いや、うん、ちゃんと「女性は嫌だろう」って観念がしっかりあるからこそだとは思いますけど、郁ちゃん以上の嫌がり振りだったんだろーなーと思って。
まぁ……それだけ堂上さんにしっかり想われてたから、郁ちゃんの心の傷は少なくて済んだんじゃないかなって気もします。
自分以上に自分のことを大事にしてくれる人が傍に居る、って思えたら、嫌なこともちょっとは薄れただろうと思って。
堂上さんは真剣なわけですけど、それを過大表現して想像してみると、堂上さんが笑える瞬間でした。
……って、囮捜査なんだから、こんな不謹慎な方にばっか想像してたらダメなんですけどねー。
原作でも思ったんですけど、「上書き」って発想は、毬江ちゃんならではかな、って思うんですよね。
毬江ちゃんはずっと小牧さんが他の女性と付き合ってるのも見て来たし、「……大きくなったら、いつか、最後は私のことを見て欲しい」ってずっと思ってきたんじゃないかと。つまり、最後に触れてくれるのが自分であれば、自分が最後であればっていう想いがあるんじゃないかなーと。小牧さんにとっての「上書き」が自分でありたいってことかなーと。
なんで、原作でも痴漢にあった時に「上書きして」という発想になったのでは……と思ったりしています。
まぁこのお話では、毬江ちゃん以外に、そういう発想の出来る女子は誰も居ませんが(苦笑)。
郁ちゃんに関しては…………多分、堂上さんがこれまた教えながらの初夜ですねー。
肩をガブッとは確定ですねー(笑)
郁ちゃんもまったく柴崎と同レベルと思ってます(笑)
全部脱がされて、「え? なんで下も?! は、はずかしー!!!」と混乱のうちに説明されて驚愕するんじゃないでしょーか(笑)
でも、このお話の郁ちゃんは、柴崎と同級生の子供を作る!ミッションがあるので(笑)、きっと頑張る筈さ~♪(笑)

というわけで。
次回はようやく……w
このお話の手塚は20歳くらいなんでー……うーん、始まったらガッツクかもしれないww(爆)
しかも初めてだから、手塚も実際、自分が好きな女を抱くと自分がどうなるのかはよくわかってなかったような気がするww
というわけで、楽しんで書くぞー!!(笑)

そうそう、このお話……進藤さんが割と私のツボポジションで(笑)
小牧さん以上にイイキャラになって動いてくれています(笑)

それと、春画……そうか、飾らないのか!
教科書みたいなもんなんですねー。
あらかじめお勉強用に見ておいて「え? これって…」と頭に置いといて…………の、実技演習ってことですね(笑)


ツンデレラ |  2018年07月09日(月) 10:57 | URL 【コメント編集】

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 |  2018年07月08日(日) 13:41 |  【コメント編集】

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