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2018.07.01 (Sun)

≪背中の靴跡シリーズ≫ 『一歩先へ vol.6』~『1つだけの願い』番外編~

≪ 一歩先へ~vol.6~ ≫背中の靴跡シリーズ『1つだけの願い』番外編

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柴崎の勘違いに気付いた毬江のお蔭で、少しずつ状況は好転へ…?!
果たして、手塚と柴崎は結婚することが出来るだろうか。
……今回は手塚目線で。






【More・・・】

≪ 一歩先へ~1つだけの願い番外編~vol.6 ≫背中の靴跡シリーズ


――――クソッ…、なんで駄目なんだよ。
泣き出しそうな麻子の瞳が目に浮かんで、公務に手が付かない。
頭を抱える。
わかってる――――時間が必要なんだってこと。
男にあんな怖い想いをさせられて――――俺も男だから、俺に対しても傍に居られることに恐怖心が湧いてしまうのは仕方がないってわかってるし――――今は男が怖いから傍に居て欲しくないって麻子が思うのも仕方がないと、頭では理解出来る。
わかってる――――。
だけど、一人で苦しんでいるのかと思うと堪らない。
もちろん、笠原や小牧夫人が付いてくれているのは知っている――――だけど、救出してからの数日、麻子は悪夢にうなされながら、熱に浮かされながら、縋るように呼ぶのは俺の名前だったんだと、誰かに向かって叫びたくなる。
……傍に居てやりたい……。
でも、手塚を拒絶したのも麻子だった。
『婚約…解消して』
呟いた麻子の言葉が一瞬、理解出来なかった。
『……お願い…します』
絞り出すようにそう言った麻子の声は濡れていた。
意味が解らず、なぜ、と麻子に触れようとした手は力いっぱい跳ね除けられ、悲鳴のような声で『~~や…ッ、触らないでっ!!』と拒絶された。
あの時の、怯えたような、涙一杯の麻子の瞳が幾度となく髣髴する。
だけど。
だけど、俺を呼んでいただろ?
縋るように思う。
なのに、怯えるように婚約解消を口にした麻子。
あの時も悪夢にうなされていて――――よほど酷い夢だったんだろう、呼吸までオカシクなってきてブルブルと震えていたから、抱き締めて名を呼び、大丈夫だと必死に宥めた。
ようやく声が届いたのか――――抉じ開けるように瞳を開いた麻子は、涙で潤んだ目を開けてしばらく朦朧としていたんだ。
乱れきった呼吸。茫然としたように何も映していない瞳。――――痛々しくて、優しく背中を撫でていた。
麻子は目を開けてはいたけれど自失していたんだと思う。
ようやく呼吸も意識も落ち着いてきたのか、掠れ切った囁くような呟きで『…………ひ…か、る……?』と酷く不安そうに俺を呼んだ。本当に微かな掠れ声で、すぐ傍に居るのに聞き落としそうになる程の――――……。
麻子の視界に入ってやろうと顔を覗き込んだら、麻子は驚きに目を見開いた。
一転して悲鳴のような金切声を上げながら暴れ出したんだ。
『~~ッ?! やっ、ヤアァァ――――…ッ!!! ~~だ、ダメ…ッ、~~あああたし、に、ささ触…ッ、ヤッ、触んないでッッ!!!』と、狂気じみた拒絶だった。
驚いて『麻子?』と宥めるように声をかけたが、涙で掻き濡れた顔で『ダメッッ!!! 触らないでッ!!!』の一点張り。
どうしていいかわからなくて、とりあえず落ち着かせようと少し距離を取ってやると、ハァハァと完全に乱れきった苦しそうな呼吸をしながら、自分の胸を苦しげに押さえつけながら震えていた。
抱き締めてやりたいのを必死に堪えていた。
――――と……。
『婚約…解消して』
ゼェゼェと異常な呼吸音に交じって、確かに麻子の呟きを聞いた
その言葉の意味が、一瞬、理解出来なかった。
ハァ…ッ、は…ッ、と苦しげな呼吸の合間で必死に『……お願い…します』と胸を押さえたまま頭を下げた麻子に、まったく頭が働かないままに『~~なんでだよッ?!』と詰め寄った。
俺が傍に寄るだけで、麻子はブルブルと震え出してボロボロと大粒の涙が堰を切った。
――――俺を見ようとしないまま。
詰め寄る俺と、項垂れて頭を下げる麻子――――埒が明かずに苛つき、麻子の細い肩に触れた。
途端に、ビクリッ!! と麻子の全身が飛び上がらんばかりに震えた。
ガクガクと震えながら、怯えた目で、声で、俺を拒否するかのように必死に目を背けて懇願した。
『~~ご、ごごめ……っ、~~お…おね、が…っ…………、ャ……ッ』
そのまま引きつけを起こして昏倒し――――真っ蒼なまま震え続ける麻子の容体に小牧夫人と笠原が駆けつけ――――相談した結果、ともかく麻子が落ち着くまでは少し麻子と距離を取って様子を見てみようということになった。
だけど。
放っておけるわけがない。
婚約解消を口にした翌々日には、麻子が熱を出していると聞いて、気が気じゃなかった。
熱は下がることなく逆に上がる一方で――――夕方には高熱でうなされていると聞いて飛んで行った。
苦しげな呼吸の合間に縋るように呼んでいるのは、やっぱり俺の名前で――――麻子の気持ちが変わった訳じゃないことを確信した。なのに、どうして婚約解消なんて言い出したのか――――聞きたかったけれど、熱に浮かされ意識朦朧の麻子に聞ける筈もなく。
夜通し額や首筋のタオルを交換し続け、中澤が作ってくれた薬湯を飲ませ、ようやく明け方には麻子の容体が落ち着いてくれて――――同じように夜通し付き添ってくれていた小牧夫人が、麻子の容体が落ち着いたら話をしてみると約束してくれた。
…………話は出来ただろうか。
あれからもう、丸一日は過ぎた。

――――麻子に会いたい。

その想いが募るばかりで――――情けないことに、他のことが何も手に就かなくなっている。

お前には――――俺が必要だろ?
だって、俺を呼んでたじゃないか。

なぜ、突然、婚約解消などと言い出したのか。

理解に苦しむ。
訳が分からない。
心にもない癖に。
――――なのに、お前は、婚約解消を口にしたんだ。

俺が怖いのか?
男だから?

そうだ、と思う。
だけど、そうじゃない、と言う自分も居る。
でも。
あの時の――――婚約解消を告げた時の麻子の目は、本気で怯えた目だった。
男、という不特定多数に対する怯えではなくて――――明らかに俺に対する怯えだった。

…………あんなに麻子を怯えさせるのなら、傍に居ない方がいいんじゃないかと思う程、麻子は俺に対して怯えていた。

――――それがわかっただけに、強く踏み込めなかったんだ。

俺に、怯えている。

それは酷く俺を動揺させた。
確かに俺を求めて、縋るように呼んでくれるのは俺なのに。

…………なのに、お前は、俺が、怖いんだな…………

その想いが麻子に触れることを躊躇わせた。
昏倒した麻子を、小牧夫人と笠原に託すことしか出来なかった。

だけど。

傍に居られない、という事実だけで心が千路に乱れる。
平静を保てなくて、何も手に就かない。

どうすればいいか、わからない。

頭を抱えたまま、うずくまるかのように頭が机に付きそうな程身体を折り曲げる。

「――――大丈夫か? ……腹でも痛いのか?」
突然降って来た声に、名実ともに飛び上がった。
目の前に立つ人の姿が視界に飛び込んで、上擦った声を上げた。
「~~~~ししし進藤大将ッ、小牧少将…ッ?!?!」
「ごめん、ちゃんとノックはして入って来たんだけど」と言う小牧の横で、進藤が眉を潜めた。
「……お前なぁ……、その顔は婚約者(フィアンセ)に見せんなよ、心配するぜ。――――ちゃんと食って寝てんのか?」
進藤の言葉に、情けない姿を見せたと、思わず居住まいを正す。
「~~~~だ、大丈夫です。……それよりなんの……2人して、何か急ぎの案件でも……」
「まぁ、急ぎだな。早くしないと、お前ら二人共倒れちまうだろうからなぁ」
「柴崎さんの容体が容体だったから様子を見るつもりだったんだけど、それが余計に事態を悪化させることになるとは思わなかったからね」
2人の言葉に、手塚の心に焦燥感が湧く。
「~~な…っ、また麻子の容体がッ?!」
慌てて動こうとする手塚を進藤が正面から制止する。
「柴崎の元に行く前に、手塚には先に風呂に入って貰う」
「――――――――はぁ?」
随分と間抜けな声が出た。
と同時に苛々とした感情が湧く。
「何を悠長な…っ、麻子は今どう…」
「柴崎さんは今入浴中。――――だから今手塚が駆けつけたところでもぬけの殻だよ」
にっこり、と笑いながら間に入って来た小牧の言葉に、呆気に取られる。
「――――ったく…いつからお前はそんなに慌てモンになったんだ? 急くなよ――――いつでも冷静沈着に事態に対応する能力が狙撃手には必須だと教えて来た筈だけどな」
「~~~~そ、それとこれとは話が違うでしょうっ!」
思わず叫んだ手塚に、進藤特有の引き笑いが起こった。
小牧も微笑みながら、「まぁまぁ…、からかうのもほどほどにしないと話も出来なくなります」と進藤を諌める。
「こーゆーメデタイ話ってのは、からかいながらするもんだろ」
「進藤大将の性分には困ったものですねェ。――――先日は緒形大将の背中に剣を突き立てながら来客室まで見張ってたとか……随分と陰で噂になってますよ」
「だってよォ、せっかく幸せが舞い込んで来てくれてるってのに、ヤツときたら客の名前を聞いた途端ジタバタと逃げ腰になりやがったんだぜ?」
「玄田大隊長までしゃしゃり出てきて『俺がお姫様抱っこで連行してやる』とまで言い出したから、緒形大将も観念して腹を括って自分の足で歩いて行った、と聞きましたが」
「だけど途中で逃げ出しやがったら元も子もねぇだろ?」
「一番の親友が一番信用してあげてないってのはどういう了見なんですかね」
「親友かどうかはわからねぇが一番付き合いは長ぇからな。だからこそヤツが土壇場で気が変わらないよう、背水の陣を強いてやったのさ」
「その上、部屋に戻って来た緒形大将に向かって一番に祝杯の杯ならぬ酒を頭からぶっかけたのも進藤大将だと聞きましたが」
「俺は根が素直だからよ、メデタイことは大好きだし、盛大に祝いたいワケ! わかるだろ? ――――っつーわけで、そこで小牧に会った俺はピーンと来たワケよ! こりゃあ次は手塚かなって」
とニヤリと笑われたが、まったく話が見えなかった。
よほど呆けた顔をしたのか、小牧がぷっと小さく吹き出す。
「……とりあえず、ちょっと腰を落ち着けようか。毬江ちゃんから聞いた柴崎さんの話も伝えたいし――――本当は進藤大将にも席を外して欲しいところなんですが、聞き分けてはくれなさそうですね」
「当ったり前だろう、可愛い弟子がここまで追い詰められてんだ。…………柴崎が意固地なのは知ってるが、ここまで意地を張る必要はねェだろう――――今の柴崎にはちょっと俺も頭に来てるからな。――――手塚の押しが弱すぎるってトコロはあるだろうが、もっと柴崎は手塚に対して甘えるべきだと常々思ってたんだよ」
「彼女は自分の甘えに対しては嫌悪すら抱いてそうですからね」
言いながら3人は客用の応接セットに腰を下ろした。
小牧も進藤も、本当に柴崎のことを理解してくれていることに軽く感動すら覚える。
「彼女はずっと手塚を守る為だけに生きてきた――――だから甘え方がわからない、というのもあるでしょう。そしてもう一つ、彼女の中に根深く根付いている想いは『自分と手塚は釣り合わない』という感情です」
「だーかーらぁ! そのために、こいつは王政も身分制度も廃止したわけだろうが? すべての国民が平等な国家に舜国はなったわけだろ」
呆れたように言う進藤に、小牧が苦笑しながら諌める。
「……それはわかっていても、ずっと培われてきた意識ってものはなかなかすぐには一掃できないものですよ」
「…………ったく、めんどくせぇなぁ…………」
「まぁそういうメンドクサイところも何もかもすべてひっくるめて、一生懸命な柴崎さんに手塚は惚れたんでしょうから――――それに、彼女の中で『手塚との結婚』の条件はどうやら『手塚の隣に立つに相応しい、手塚に見合うだけの自分』と『もう1つ』あったみたいでね――――」
「――――もう1つ? なんだぁ? 手塚に相応しいってことだけでも十分よくわからんのに、更にややこしい条件があるってのか?」
「……みたいですね。――――誰も知らなかった柴崎さんの『お嫁さん願望』っていうのかな――――どうやら柴崎さんの心の奥底には少女のままの『結婚に対する夢』があったようで――――」
小牧の物言いに進藤が笑う。
「『結婚に対する夢』か―――まぁ、女ってヤツは誰でも『結婚』に対しては、こういうシチュエーションで、とかこういう日に、とか言う夢を描いてるもんなんじゃねぇか?」
「それはそうなんですけど。――――柴崎さんは『綺麗な身体のまま結婚する』だったみたいで」
小牧の言葉に進藤はぶっと吹き出し、手塚は顔を赤らめた。
「……まぁ……伯爵令嬢なんかは、昔からそういう風に聞かされて嫁いだもんですし――――もちろん、男としては真っ新な女性を妻に娶るなんて至福ですからね。自分しか知らない妻なんて最高ですし、こちらとしても育てあげる楽しみも加わって夫婦の営みに精が出るというものです」
「流石は新婚――――って、もう1年以上過ぎてるが、実体験を元にしてる言葉は重みが違う」
「何をおっしゃるやら…、進藤大将のところもそうでしょう」
「いやいや、俺ン所は、あいつのハジメテは俺じゃないんでね」
冗談めかした言葉でサラリと流すと、小牧も手塚も礼儀正しく聞き流した。
「――――けど、柴崎は『綺麗な身体』だろうが? ――――それとももう、お前らヤッちまってたのか?」
いきなり単刀直入に切り込まれ、手塚は赤い顔を思いっきり横に振る。
「そういうことじゃなくて…………どうやら柴崎さんは、あの事件で『貞操を奪われた』と思ってるみたいなんですよ」
「はぁ? えー……大丈夫だったんじゃねぇのか?」
「~~そんなことありませんッッ!!!」
進藤が手塚に尋ねるのと、手塚がバンッと机に手を付いて立ち上がるのは同時だった。
「下の衣服は何も手を付けられていませんでした! 乱れた形跡もない――――着替えを手伝った小牧夫人や笠原に聞けばわかりますッ!!!」
「――――うん。それはそうなんだけど…………この場合、事実はどうか、ではなくて、柴崎さんがどう思ってるかが大事なんだ」
「~~柴崎が…って、けどッ!!」
「手塚」
小牧が静かに遮り――――手塚は感情的になっていた自分に気付いて慌てて腰を落ち着ける。
座って平静を装おうとしているのを見てから、小牧はゆっくりと口を開く。
「――――手塚には理解しておいて欲しいんだけど、どうやら柴崎さんは『性交(セックス)』について、何も知らない」
「――――――――は…?」
「~~んなわけ……だって、遊郭出身なんだろ?」
「正確には、遊郭で生まれ育ったとはいえ、彼女が王宮に引き取られたのは3歳頃――――まぁ遊郭に勤める女性の服装や恰好、言葉尻から少しくらいは何かしらの知識を得たかもしれませんが、3歳の稚児に理解出来るような話じゃありません」
「~~いや、そりゃ……けど、笠原よりは……知識ありそうな、感じ…じゃなかったか?」
進藤の言葉もだんだんと自信がなくなっていく。
そもそも、忍びとしての柴崎はずっと陰に身を潜めていたし、新体制になって情報屋や外交官として表だって動くようになって――――その辣腕ぶりには目を瞠るばかりだったのだ。
そんな彼女が、そっちの方面には初心で無垢だなんて到底思えない。
「…………柴崎さんの外面が…………もちろん彼女のせいじゃないんですが…………そういうことに長けたように見えていただけに、皆が誤解していたんです。――――もちろん、彼女は彼女なりに得た知識で、自分の顔が整っていることも、身体が男受けする魅力的なものであることも知っていて……そういうのを利用して情報を集めたりもしていました。そういう彼女の振る舞いを見て――――俺達は勝手に、彼女を誤解してたんですよ」
「……誤解…………いや、けど……」
「――――彼女には両親が居ません。王宮に引き取られてここに居たのも7、8歳です。――――その後は忍びとして訓練を積み――――そんな彼女に、誰がいつ教えるって言うんです?」
「……………………」
進藤も口を噤み、部屋は静けさに包まれる。
沈黙を破ったのは小牧だった。
「毬江ちゃんが言うには……その、ここだけの話にしておいて欲しいんだけど、笠原さんですら、ちゃんとした知識を持っていないそうなんだ。少女趣味な親が少女趣味な娘を育てれば、そういうことになるのかもしれないけど――――例えばその…胸を触られたりするだけで『性交(セックス)』だと思ってるみたいで――――確か、柴崎さんの上半身は乱されていたんだったよね。柴崎さんもまた、男に身体を触られたことで自分の貞操は奪われたと思い込んで――――自分で自分が許せず、苦しんでるんじゃないかって」
小牧の言葉に、怯える、だけど縋るような柴崎の瞳を思い出す。
怖がりながら――――震えながら、でも心の奥底では俺を呼んでいた。
他の男に触れられた自分を不潔だとでも思ったのだろうか。
穢れた自分はもう、俺とは結婚する資格がないとでも思ったのだろうか。

――――んなわけ、ないだろ…!

グッと両手を組み合わせ、力を籠めた。
骨が浮き出るくらいに。
……そんな手塚の様子に、小牧が少し口元を緩めた。
「――――教えてあげて。手塚が。…………この1週間で柴崎さん、随分やつれたらしいから…………その、体力的にはかなり厳しいと思うんだけど――――正直、手塚が満足できるようなことは出来ないんじゃないかと思うけど、でもそれでも、今、彼女に『男女が愛し合う行為』を教えてあげて欲しい――――万一、最中に体力の限界で失神したとしても、それでも柴崎さんの心は救われると思うんだ。
柴崎さんを衰弱させるばかりの負のループを断ち切ってあげて欲しい――――これは手塚にしか出来ないことだから」
穏やかな口調で小牧はそう言うと、小さくクスリと笑った。
「――――ってことで。
…………柴崎さんにはこういうこと、内緒で――――女性陣は今、作戦遂行中なんだよ」
――――それで……入浴中……。
思うと顔がじわじわと赤らむ。
どんだけお膳立てされて――――と思えば更に加速する羞恥。
だけど。

……皆の気持ちには、感謝したい……

背中を押された、というよりは、突き飛ばされた感はあるけれど、だけどずっと望んでいた。
麻子を救いたい――――それだけじゃなく、麻子に触れたい。
ずっと……堪えていた想い。
ドクン、と熱い血が湧く。
これ以上真っ赤な顔を晒す前に、と慌てて立ち上がった手塚に小牧がからかうように声をかける。
「手塚も、風呂?」
答えられず、素っ気なく「失礼します」とだけ言って部屋から出ようとした手塚に進藤が呑気な声をかけた。
「ちょっと確認しときたい――――お前さんはちゃんと『やり方』知ってるよな?」
言われて一気に顔が熱くなった。
「なんなら大先輩の俺様がレクチャー……」
「~~余計なお世話です…ッ!!」
バンッ! と閉めた扉の向こうで、上官二人の賑やかな笑い声が聞こえた。



……To be continued.







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05:10  |  *『図書館戦争』二次小説  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

★レクチャー…(笑)

ママ様

加代子さん、いらしました(笑)
なんか、これでいくと、このパラレルではひょっとすると、手柴、緒加、玄折、堂郁が似たような年に結婚してるのかも?!……とふと考察…(笑)
ちょっと忙しすぎるか!(笑)
緒加は2年後くらいにして貰おうか?交際期間も楽しいだろうし(笑)
…ってなところは、まったく話に書くつもりもなにもないですが(苦笑)

毬江ちゃんから小牧さんへの、夫婦に隠しごとなし、は凄い(笑)
「なるほどねー」と小牧さんも納得です(笑)
もちろん、そっかー、と話をしながら、自分達もそういう夜になったとかならなかったとかは、、、小牧さんの事だから尻尾は出さないでしょうが(笑)
柴崎さんへのレクチャーは、毬江ちゃんはしないと思いますので、しない方向のまま話を進めていきまーす(軽)
笠原母の、乙女思考は、知る人は周知、ということで(笑)
あちこちで娘のお転婆ぶりにも散々溜息と共に「娘たるや…」論をお披露目していたと思われます(苦笑)
聞いてる人達も苦笑しながらも伯爵夫人を諌めることも出来ず、この母に育てられる娘は大変だろーなーって思いながら聞いてたんだと思う(苦笑)
バリバリの乙女思考全開でお喋りしまくってた笠原夫人の噂は、まぁ、小牧さんくらいだと耳に入ってたかなーと。
「春画」……嫁入り道具って……どこに飾るんだろう、寝室?(かなり明け透けだな!笑)
まぁ、ようやくようやく、皆のお膳立ての元、手柴も夫婦へ…(はーと)
しっかし、みんなして聞き耳立ててんじゃないだろーな?(苦笑)とちょっと怖い(笑)
まぁなんだかんだ言っても大人の集団だから大丈夫なんでしょうけれど(苦笑)

鍵付きは、次の次かな……
次回はまだ前座で(ヲイ★)


ツンデレラ |  2018年07月02日(月) 10:30 | URL 【コメント編集】

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 |  2018年07月01日(日) 20:46 |  【コメント編集】

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