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2018.01.12 (Fri)

≪背中の靴跡シリーズ≫ 『1つだけの願い』~vol.13~

※1月14日にコメント下さった【tofslan様】
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≪ 1つだけの願い~vol.13~ ≫背中の靴跡シリーズ

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堂上班の前に国東&黄国軍が再び。体調も万全ではない堂上班は…。





【More・・・】

≪ 1つだけの願い~vol.13~ ≫背中の靴跡シリーズ


国東軍と黄国の連合軍となっている部隊を蹴散らし、撒きながら走る。
流石に負傷している笠原、堂上、病み上がりの柴崎なので、いつもよりも苦戦しつつの逃走劇。
なんとか敵を撒いて身を潜める場所を見つけた。
ようやく一息吐く。
「……王都に向かうにしても、【足】が欲しいな」
そう言ったのは小牧だ。
魔道士からの攻撃は大部分を小牧が浄化していたので、疲労感が凄い。
柴崎に出来るだけ力を使わせないように気遣ったのだ。
だから今、堂上や笠原の傷の手当ては柴崎がしてくれていた。
小牧が見ると、柴崎の薬湯のチョイスや手当の仕方――――やはり巫女としての訓練をしっかりと積んでいる者の知識だ。
むしろ小牧以上に処置の方法は的確かつ効果的もしれない。
「…………無茶すると完全に折れちゃいますよ。本当は酷く痛いんでしょ? まったく笠原担いで走るとか――――まぁ堂上少将らしいですけど。はいコレ――――すっごい苦いけど即効性はあります。……けど、痛みが取れたからって無茶はしないで下さいね?」
そう言って柴崎が堂上に渡した薬湯は、上位等級の神教者しか教わらないような薬草を配合したものだった。
そんな柴崎に小牧は舌を巻く。
小牧にも疲労回復の薬湯をくれたが、滋養強壮成分がふんだんに取り入れられているのみならず相乗効果もある組み合わせなのか、みるみる疲労感が失せていくから凄い。
「確かに【足】がある方がありがたいですよね――――黄国の魔道士達が妖獣に乗っていましたよね。アレを貰うと言うのはどうでしょう?」
小牧の言葉に柴崎が事もなげに提案する。
「貰うって言っても、簡単にはくれないと思うけど? そもそも、あれだけの大軍を撒くだけでも大変だったんだよ?」
小牧の言葉に柴崎はニッコリと笑った。
「そう、さっき気付いたんですけど、あの大軍は統率がイマイチ取れてませんよね? 特に国東軍と黄国の魔道士との連携がまるでない。溝があるんですよね、きっと。――――そこが狙い目だと思うんです」

     *

そして、柴崎の言葉通り俺達は事もなげに妖獣を手に入れたのだ。

国東軍の兵士から服を奪うと俺以外の皆はその服に身を包んだ。そして不本意ながら俺は『兄貴の忍び』の役を任命された。
兄に似ていると言われている俺を兄そっくりに仕立て上げたのは柴崎だ。
髪を整えてくれたり、少しメイクチックなこともされ――――正直、触れられると妙な気持ちが湧いてきて必死に堪えた。あの気持ちはなんなのか――――丁寧に俺に触れてくる指先にゾクゾクと感情が暴れ出しそうになった。柔らかで繊細な細い指は、だけど終わればあっさりと去っていった。
もっと――――なんて思いそうになるなんて、俺もどうかしてる。
自分の『作品』の仕上がりにご満悦の柴崎は、皆にシナリオを伝えた。
堂上・小牧を従え、俺は兄貴の影武者の1人の忍びとして国東軍と黄国の将校に会い、いよいよ戴冠式を行うことになったから直ちに王都に戻れとの慧からの命を伝える(もちろん、慧からの親書等、それらしい小物もいつの間にかすべて柴崎が用意していた)。
舌を巻くのは、どちらでもいいから、より信じていない気色を前面に出している側に『慧の影武者は偽者だ』とこっそり囁けというのだ。国東軍、黄国軍のどちらかが『そいつは偽者だ』と言えば、もう片方は逆に意地になって命に従うというのである。
両者とも意見が相違しなかったら? との笠原の心配には、柴崎はニッコリ笑って答えた。
「その時は遠慮なく手塚を殺して? 殺して自分達が真実だと言えば、向こうはまた困惑のネタが増えるでしょ」と。
――――ったく、どんな女だよ!
「もちろん、あんたには形代を付けておくから安心して死んでくれればいいから」なんて満面の笑みで言う台詞か!
いくら形代が俺の代わりに死んでくれるとはいえ、殺される経験をしたがる人間なんていない。
わかっていて敢えて言葉に出して言ったのだろうってことがわかっているから、ムッツリと黙り込んだ。どうせ何か言ったところで冷たく返されるだけなのだから。
まぁ俺だって柴崎の意図くらいはわかってる。そんな一芝居を打ってでも国東軍と黄軍を分裂させるように仕向けろということだった。
こうして俺達の芝居は始まった。
国東軍と黄軍は柴崎の目論み通り、意外にもアッサリと意見を対立させ、俺が死ぬような目には合うことなく分裂した。分裂をさせておいて、国東軍からの攻撃と見せかける奇襲を黄軍へと仕掛ければ、黄色軍は簡単に国東軍を攻撃し始めた。
後は国東軍に紛れて、黄軍から倒寿(とうじゅ)、孟極(もうきょく)、馬腹(ばふく)という妖獣を奪ったのだった。


まったく、ペテン師だな。
不機嫌な顔で柴崎を見る。
――――柴崎は今、堂上と二人、倒寿に乗っていた。二人で何か喋っている――――。
それを見て、ムカムカと疼く感情。

柴崎は俺の忍びだろ?

またあの言葉が浮かんで、慌てて打ち消す。
いや俺のじゃないし――――
けど、どうして柴崎は堂上少将と乗るだなんて言ったのか……、……いや、ちょっと話がしたいから、と言ってたけど、一体なんの話を――――

チラリとまた見る。
別に二人の距離は不必要に近いわけでもなんでもない。だけど、同乗してるからはそれなりに距離が近いわけで…………。
また湧き上がる苛々とした妙な気持ち。
と、同乗してる笠原が唐突に言った。
「…………やっぱりさぁ……柴崎みたいな女の子が男の人は好きだよね?」
突然出てきた名前に、思考を見透かされてたみたいな気がして酷く動揺してしまう。
「~~~~ななななんだよ急に?!」
「……柴崎から一緒に乗ろうって言われたら、嫌な気なんかしないよね?」
「~~~~~~~~っ」
返答に困る。
なんて答えればいいんだ?
チラリと倒寿を見れば、驚いたことに柴崎が笑っていた。
楽しそうに、面白そうに――――堂上を見て笑っているのだ。
ズキリ、と胸が痛んだ。
痛む胸に困惑する。
…………そりゃ……柴崎だって人間だ。笑うことくらいあるだろう――――。そう思って納得もするのに、その相手が自分じゃないことに酷く昏い気持ちになる。

――――俺に対して、柴崎があんな風に笑っていたことがあったか?

答えはノーだった。
俺を前にして、柴崎が笑顔になったことなんか一度だってない。
胸がズキズキする。
なのに、ポロリと零れたように更に思考が続いた。

俺は柴崎を笑顔にしたことなんか、一度もない。

ズキリ、と切り裂かれたかと思うような胸の痛み。
…………なんだというのだろう、事実じゃないか。
そう思うのに、事実だという現実がまた、痛みを増幅させる。
柴崎は堂上に話し掛けながら、楽しげに笑ってる――――…。
「…………柴崎って笑うと、……ほんと、ますます綺麗だよね…………」
笠原の小さな呟き――――、と、数秒でふいに笠原がしがみ付いてきた。
「ごめん! 一瞬貸して!」
突然のことに頭が回らず――――焦ってようやく笠原を見れば、驚いたことに服に顔を押し付けて泣いている。
「~~~~なななにすんだ! ――――っていうか、そんなにくっつくなッ!!! ななななんで泣いてるんだよ…ッ?!?!」
「~~~~ううううるさいッ!!! うるさいうるさいうるさいッ!!! 泣いてない泣いてない泣いてない…っ!!!」
「泣いてるだろうが明らかにっ!!! 拭くなら自分のハンカチで拭けよッ!!!」
「きゅきゅきゅ急に…ッ!!! 急に出て来たんだもんッ、仕方ないでしょ…ッ!!!」
「仕方ないわけあるか――――ッ!!!」
聞き分けのない笠原に、手塚の怒声が響いたのだった



……To be continued.





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05:10  |  *『図書館戦争』二次小説  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

★ようこそおいでやす♪

Sauly様

いらっしゃいませ、京都!
なんか、何もなくても京都はいいでしょう? 不思議な場所です(笑)
どこにお泊りかはわかりませんが、四条より北に居るんでしたら、明日は極寒の雪が見れるかもしれませんね(苦笑)
服屋巡りというと、そのあたりですかねー?
美味しいモノ食べて、楽しんで行って下さいませませ♪

さて、ドストライクなコメントありがとうございますー(笑)
いやもう、まさしく、そういう感じの立ち位置になっちゃってるってところを正しく突っ込んでいただいたので(笑)、「ちゃんと伝わってるw」とむしろ嬉しくなりました!(笑)
大丈夫ですよー。郁ちゃんはこのまま終わる子じゃありません(笑) ただ、今ちょっと立場が変わって(本人に記憶ないから無自覚だけど、急に立場を変えさせられてる(苦笑)ので)戸惑いとか困惑のような感じが無意識にあって、ちょっと弱ってるだけかと(苦笑)。 堂上さんはともかく(ヲイ★)郁ちゃんは正しく真っ直ぐに進んでいくと思いますから(笑)
手柴の方は、このままだと本当に終わっちゃいそうなんで、終わらないためにはやっぱりなんかキッカケがね。
とりあえず手塚に自覚を持って貰うトコロからですかー?(そこからってトコロが情けないですが)

WANIMA!!
私も大好きですー!!!
元気出ますよねーこのおっさんたち(笑)←正しく本気で私はWANIMAが好きですよw(笑)
しかし、PVとか見たことなかったんで、こんな凄い場所で撮影しちゃって大変ー!って思っちゃいました(ソコ?笑)
機材を山頂に運ぶのがめちゃめちゃ大変だったでしょうに…………。
むしろ、機材を山頂に運ぶ大変さを撮影して繋いでもドラマになるんじゃね?と思ってしまいました!!
ところで Lol ってSauly様のお蔭で初めて知りました!(苦笑)
一つ賢くなれましたー!lol
では、京都、楽しんで行って下さいね♪

ツンデレラ |  2018年01月13日(土) 06:45 | URL 【コメント編集】

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 |  2018年01月13日(土) 01:30 |  【コメント編集】

★二次はいろいろありますよね

ママ様

めっちゃお早いコメントにオドロキでした(笑)
そうですね、二次はいろんな関係やいろんなシチュエーション、今回のウチのお話のようなパラレルなど好きなように出来るのがメリットと言えばメリットでもありますから。
堂上さんと柴崎のCP……完全にCPしてしまう話は私は見たことがないんですけれど、どんな感じになるんでしょうか。
堂上さんに柴崎は重すぎると思いますけどねー。堂上さんは郁ちゃんだからこそ、柴崎は手塚だからこそ、いいトコロがいっぱい見えるような気がしますが……。
あ、私そう言えば、小牧×郁ちゃんのCPは見たことありますね! ええええっナゼに?! って確かに思いましたし……堂×柴の本当に完全CPの話を見たらやっぱり、えええっナゼにッ?! って思うんだろうなァ((((((^^;)
あ、ウチの話はそんなことには全然ならないので大丈夫です(またネタばらしかい!苦笑)
次回、何を喋ってたかとか……出るかな? うん。
別に堂上さんも柴崎も、堂上さんと柴崎が仲いいぞ~って思わせたいとか思ってのお喋りとかじゃないので安心して下さい!(?苦笑)
でも、正直、堂上さんも柴崎も、互いに自分の気持ちは諦めているので(いや私にも柴崎は果たしてどこまで手塚への自分の想いに気付いているのか、ちょっと自信がないのです…………どこまで柴崎に自覚があるのか、ないのか、どうなんだろう???)、今回手塚と郁ちゃんの婚約、ということになったことに対しては----悲しいかな、受け入れている、という段階です。
お似合いの、釣合のとれた2人、という認識。……ですね。
なので、堂上さんはある意味、郁ちゃんへの想いは蓋をすることになるので----郁ちゃんにしてみればこれまで以上に堂上さんに近づくのが難しくなる恐れはあるかもしれない(ヲイ★)。
堂郁も、ちゃんと堂郁にするつもりではあるのですが、どうやって堂郁になるのかは生温かく見守ってやって下さい。まだ私の中でもハッキリこうでこうでって決まってる訳ではないので(堂郁にする!ということは決まっていますが(苦笑))
手塚はねェ…………一番よく本人がわかってない上に、このお話では完全な恋愛音痴クンになっておりますね(苦笑)
大丈夫かなー。ちゃんと柴崎を捕まえられんのかな……。とちょっと心配していますが、生みの親(私)としては、絶対手柴で終わらせる気ですから頑張りますよー!(って手塚じゃなくて私が頑張るんかい!←ツッコミ)

柴崎の過去についてはまたそのうち……ということで、ちょっとコメレスは遠慮させて貰いますね。
ちょっと今、柴崎の過去についてもアレコレと考えたりしてて…………こんな風な話って最初に降っては来てるんですけど、枝葉をどう付けるのかどういう話の流れにするのかが、今、ちょっと試行錯誤中でモヤモヤしてるので…………。
でも柴崎の過去はもっと出さないと、どうして手塚が柴崎で柴崎が手塚なのかも全然理解できないお話になるので、そのうち絶対出ると思います。

まぁまだもうちょっと、堂郁も手柴も事件がないと駄目だと思うので、今回、次回……くらいは面白くないターンだと思いますけど、そのうちなんとか堂郁、手柴路線になるようにしたいと思っているので、この面白くないトコロも、今朝のように読んで貰えると嬉しいです。
なかなか面白いお話じゃなくて、ホントすみません~~~~(TT)泣




ツンデレラ |  2018年01月12日(金) 15:57 | URL 【コメント編集】

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 |  2018年01月12日(金) 06:54 |  【コメント編集】

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