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2017.01.11 (Wed)

≪背中の靴跡シリーズ≫ 『ひとり寝る夜の明くる間は』~vol.41~

≪ ひとり寝る夜の明くる間は~vol.41~ ≫背中の靴跡シリーズ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
  歎きつつ ひとり寝(ぬ)る夜の 明くる間は
   いかに久しき ものとかは知る
         右大将道綱母(53番) 『拾遺集』恋四・912
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



【More・・・】

≪ ひとり寝る夜の明くる間は~vol.41~ ≫背中の靴跡シリーズ


…………やだわ、あたしらしくない。
何度目だろう、また、鏡を覗き込んだ自分に思わず苦い気持ちが広がる。
そわそわと落ち着きがなくなってるみたいで、でも特にやることもないからか、気付けば朝からもう何度も鏡で自分の姿を確認してしまう自分が居る。
こんなの変――――……。
鏡に映るのはげっそりと痩せこけた、異様に目だけがギョロッと大きい醜い女の顔。
何度見たってそれは変わらないし、自分の顔を見ては、今のあたしの状態を目の当たりにさせられる。
…………ああでも…………今のあたしの現状を再認識するって意味ではいいかもしれない。
こんなあたし――――今のあたしは『サイキマコ』で『シバサキアサコ』じゃないっていう現実。

『サイキマコ』として、今日、手塚に会う――――……

思っただけでドキドキして緊張感が凄い。
…………本当にあたしらしくない。
機具が外されて良かった。まだ心拍数や血圧を測る機具と繋がれていたら、朝からあたしの緊張感がデータに残っちゃうところだった。個室に移ってしばらくして、あの機具からは解放されたのだ。とはいえ、まだ思うように食べられないから点滴は外れてないけど――――。
今のあたしが出来るようになったことと言えば、少し米粒の入ったお粥が何口か食べられるようになったことと、ようやくベッドの上で自力で上体を起こすことが出来るようになってきたことくらい…………。まだ自分の身体なのに立ち上がれないし身の回りのことすら自分で出来ない。当然、お風呂もまだ入れなくて、お母さんが身体を拭いてくれるだけ――――体臭が気になるかもしれない、どうしよう…………。
髪は昨日、お母さんと高山さんが洗ってくれたからマシだけど。少し髪を撫でてみてサラリとした感触にホッとする。高山さんがあたしの好きなシャンプーとトリートメントを買ってきてくれたから、慣れ親しんだ香りがほんの少し漂ってきてそれに安堵した。――――たった洗髪だけでも大変な作業で迷惑をいっぱいかけちゃったのよね……。思い出すと自分の不甲斐なさに溜息ばかりだ。
先生にお願いしてようやく洗髪だけならと許可が下り、昨日の午後からはそれで潰れた。ベッドから降りて車椅子に乗り、車椅子から洗髪台に上がって、髪を洗い終えたらまた車椅子、そしてベッドに戻るまでのすべての行動が高山さんとお母さん、看護師さんの力を借りないと出来ない。立ち上がろうとしても手も足も震えるばかりでまるで力が籠らず何も出来ない自分を思い知った。…………本当に惨めで情けない。また一層、なんにも出来なくなっている自分を自覚させられた。
大変な作業だったけどお母さんも高山さんも何故だかとても嬉しそうにしてくれたから救われた。高山さんなんてあたしを1人で抱え上げちゃったりして「……小さな子供を抱いてるみたい。もう少し頑張ってご飯食べないと駄目ですよ」なんて言って。「……言い過ぎよ。そんなわけないじゃない。そりゃ40kgは切ってるかもしれないけど……」って反論したら「いえいえ、これは小学校の高学年の子供より軽いと思いますね」なんて言い切られて悔しかった。高山さんは高校生と中学生の子供がいるからこれについてはあたしに分が悪い。
サラリとした髪だけは2人のお蔭――――でも、生え際は元の黒髪が覗き始めていて、プリンみたいで不細工。…………はあ、とまた溜息が出る。
黒髪がもっと伸びて来る前には自分で立って歩けるようになっていなくちゃ。今のままじゃ髪も染められない。
サイキマコは金髪でチャラい遊び女風でいなくちゃいけないんだから。
鏡の中の骸骨女から目を逸らす。

チラリと時計を見ると、後30分もすればお母さんがやって来る時間。
――――手塚はいつ来るんだろう…………。

また、ドキンと鼓動が跳ねる。
違う、そんなわけない。
だって、今日は手塚にキッパリとさよならを言うために会うのだ。
ただそれだけで――――。

もう二度と会わないさよならって。

あたしはもう柴崎麻子じゃないし、サイキマコとして生きていくって決めた。
サイキマコは手塚とは何の関係もないし、手塚のことなんか全然好きじゃないし――――……。

『好きだ』

~~~~ッ!!!
耳を塞いでも聞こえる、最後に聞いた手塚の言葉。切羽詰まったような手塚の声。
心の中で甦った言葉に、カアッと顔に血が昇って身体まで熱くなる。
~~~~なによコレ…ッ!!! 違う、違うわよこんなのッ!!!
必死に抵抗しようとするのに、心臓が口から飛び出そうなくらいドキドキして頭が真っ白になる。
~~~~なによ、ガキじゃあるまいし、たったあれだけの言葉に――――……

――――好きだ――――

まさか、最後に聞いた手塚の言葉がソレなんて。
たった3文字に心臓を射抜かれた。
息も出来ないくらいの衝撃で茫然としたあたしに、手塚はその後も必死に何かを訴えてた。縋るように、祈るように、ただただ懇願する言葉が綴られて――――…だけどそのあたりからもう、あたしの記憶は少し薄れてて、あやふやになってる。
好き……好きって…………。
必死になって深呼吸して、なんとか気持ちを抑えつける。
思い出しただけでこんなに動揺するとかおかしいわ。
たかが言葉――――たったこれだけの言葉に心が掻き乱されるとか…………あたしじゃない。
――――好きな訳ない。
だってこんなにもガリガリでやつれ果てた骸骨女。見た目だってチャラくて手塚の趣味じゃない筈で。出来るだけ会話も素っ気なく冷たくあしらうようにしていた。
……予防線まで貼っていた筈だ。手塚がマコであるあたしを絶対に好きになんかなるわけないけど――――けど、万が一のことを考えて、手塚があたしを絶対に恋愛対象とみなさないために、わざわざ手塚慧の彼女だと偽って手塚の前に現れたんだもの。
お兄さんの彼女なら、恋愛対象外な筈だった。手塚は人のものを奪うようなタイプじゃない。
なのにどうして――――……。
後悔するのは、夜の発作だ。
発作が起きないようにと安定剤をずっと飲んでいるのに、どうしても暗闇の中に人の気配がするようで怖い。
闇の中から何かが生まれ出るような気がしてしまうし、煌々と明かりを点けていても家具の影がグニャリと揺れて人型を生み出しそうで怖い。そんなことはない、そんなことあるわけない、と思うのに、そう思いながらももう冷や汗が吹き出て息が出来なくなってしまう。そうなるともう自分でどうしようもなくなって、気付けば朝で――――。
――――手塚家に来てから、あたしは、朝になると手塚に包まれていた。
…………毎朝、後悔していた。後悔しても結局夜になると発作が起きる自分が嫌で嫌で仕方がなかった。
やっぱり、ここに来たのは間違いだと何度も手塚慧に手塚家を離れたいと話をしたけれど、手塚慧はまったく聞く耳を持たなかった。「その場所以上に君に相応しい場所があるとしたら、それは病院しかないよ。また入院するかい?」と――――……。
本当は、病院に戻らなきゃいけなかった。手塚と縁を切るのだと思えば、本当はそうしなければならなかったのに出来なかった――――……。そうしなきゃって思うのに、病院を思うと恐怖のあまり思考も何もかもが止まる。
…………病院が、怖かった…………。
病院に居ると、昼夜を問わずずっと誰かに見られているような感覚が付き纏い、怖くて、何もないのにパニックを起こしそうになる。
思い出すだけで震え上がるなんて、どんなに弱いの、あたし――――……。
駄目だ、こんなのって思うのに、どうしても手塚家から出ていくことが出来なかった、あたしの弱さ。
それが、このまま何事もなく消えていく筈だったあたしの“これから”を歪めてしまった。
あたしの弱さが手塚も巻込んで歪めてしまった。
たった、病院に戻れば済むだけのことなのに――――……。
…………ただ、声をかけられただけだ。何度もそう自分に言い聞かせた。
何もされてないし、大丈夫だって。
消灯後の暗闇で、あたしに声をかけたあの男――――「ねぇ、柴崎麻子って知ってる? 聞いたことない?」と、暗闇の中で浮かび上がるように見えた色白の端正な顔。ひょろりとした細身の体。ニコリと笑う顔に悪意は見えなかったけど、あたしは凍り付いてしまった。今こうして思い出しても怖くて身体が竦んでしまう。
――――何もされてない。
何度もそう言い聞かせたのに、だけど、怖くて堪らない。
――――なんであたしに声をかけたの――――……。
首を振ることが精一杯だった。錆び付いたロボットのようにぎこちなく首を振った。声なんかまったく出ない。
そんなあたしの様子なんか気にもせずに、「そうだよねー。部屋の名札にもナースステーションのカルテにも、柴崎麻子なんて名前はなかったもんね。…………ガセだとは思ったんだけど、上が煩いからさぁ」
下っ端は辛いよね、なんて言って――――ついでのように、尋ねられたのだ。
「ちなみに君の名前は?」なんて。
ドクンドクン、と口から心臓が飛び出しそうだった。口がカラカラで、サイキマコ、そう言わなきゃ不自然だと思うのに震える唇からは一言も出ない。唇だけじゃなく足元からも震えが上がってきて――――……、
「~~~~ッ?!?!」
気付けば腕を取られて、手に付けられているあたしのバーコードの名前を読まれていた。
「……サイキ マコ……ふうん。――――やっぱ、違うよねぇ」
そう言うと興味を失くしたらしく、やっぱガセかぁ、一々躍らせれて堪んないよねこっちは。なんてブツブツ言いながら歩き去った。黒いスーツ姿はすぐに闇に紛れ込んで見えなくなり――――あたしは精神的ショックのあまり、意識を手放して廊下に崩れ落ち――――後になって聞いたら、チアノーゼが酷く血圧もなかなか上がらなくてかなり長時間意識が戻らなかったらしい。
それからだ、発作が酷くなりだしたのは。
あるわけがないと思うのに、幻覚や幻聴が聞こえて、誰かが常にそこに居てあたしを見ている気がしてしまう。
――――怖い。
病院に居ると、昼も夜も、何もないのに突然恐怖に駆られてしまう。
怖くて怖くて怖くて――――薬で抑えると、今度は薬の副作用でまた幻覚や幻聴が起こるから、悪夢のループだった。寝ても覚めても恐怖で――――怖くて怖くて仕方がなくなった。
…………心が完全に病んでいたんだと思う。
――――何もされてない。
それは事実。そう言い聞かせても言い聞かせても、あたしの中の恐怖がどうしても消えなかった。
…………たまたま夜、トイレで出歩いたあたしを見かけたから声をかけたんだ。そこを通った人ならだれでも良かった筈。
言い聞かせても言い聞かせても、誰かがあたしを見てる気がして恐怖に駆られる。
病院が怖くて逃げ出したくて、ただただ、病院は嫌だった。
あまりに消耗していくあたしを見て、手塚慧が何かしらの手を回してくれた。無理矢理退院許可を貰って病院から出してくれた。
――――本当にホッとした。手塚慧のマンションの方が、まだ随分とマシだった。昼間に高山さんが居る時は全然平気で発作も起こらなくなった。――――夜以外は。
夜だけは怖くて怖くて駄目だった。
高山さんが来るまでに目覚めたらなんとか体裁を取り繕えたけど、だんだんと、高山さんが来る時間になっても倒れたままになり始め、そのうち意識を失ったままのあたしを高山さんが起こしてもなかなか意識が戻らなくなってきたそうだ。そして遂に、手塚慧からノーを宣告された。
「病院に戻るか、手塚家に預けられるか。……どちらを選ぶかは君に任せる」
…………このまま、マンションで…………小さく縋ったあたしの言葉は聞いて貰えなかった。
「高山が『これ以上は怖くて見られない』そうだ。どちらかだ」
「…………大丈夫……一人でも…………」
「それは倒れることがなくなってから言いたまえ。君のお母さんには、俺が責任を持つとのことで帰って貰うことを了承して貰った。その責任が俺にはあるのでね」
「…………そんなの…………それなら、柴崎家に帰る…………」
「君の今の身体では、帰省自体が無理だな。せめてもう少し回復して医者が正式に退院許可を出してくれるくらいには回復することだ」
「…………」
…………その頃のあたしは確かに30分も立っていられない状態だったから何も言えなかった。高山さんがお世話をしてくれる手伝いをしようとしても、10分以上立った状態が続くだけではぁはぁと息が乱れて貧血が起きたり、視界が眩んだりして立っていられなくなる。
『眠れていない上に食事もほとんど食べられないからですよ。お昼間でも眠れる時に寝て下さい』
そう言ってくれるけれど、人の気配がするのに眠れるわけもなくて…………。でも、誰も居なくなると怖くなる。
――――せめて食べるだけでも、と思って高山さんが作ってくれた病院食よりも格段に美味しい料理をたくさん(と言っても子供量程度だが)食べようとしたけれど、途中から胃が痛み出していつもより少し多めというくらいで食べられなくなり…………1時間もしないうちに全部もどしてしまって、翌日は反動でまったく食べられなくなった。高山さんは嫌な顔もせずに『ゆっくりでいいんですよ。無理に食べようとするとそうなります』と言ってくれたけど…………せっかく作ってくれた食事を吐くなんてあたしって最悪だと思う。消化が良くて栄養のある献立を考えていつも作ってくれているのに…………。
――――手塚家を選択するしかなかった。…………なんて嘘…………恐怖であたし自身が狂っても、本当はあたしは、手塚との縁を切るために病院に戻るべきだった。だけど、どうしても怖くて――――弱いあたしは手塚家を選んでしまったんだ。
――――それが…………一番の間違い。
久しぶりに見た手塚は――――記憶を失っていても手塚だった。
身体の方はすっかり良くなっているようでホッとした。
出会った頃の手塚のように、特にあたしに興味もなさそうだったし、最初に手塚家に来た日には大槇さんも手塚家に居て――――ああ良かった、と思った。ツキンと音がした心の何かは全部蓋をして絶対に見ない。
彼女が傍に居る――――手塚はその方がプライベートも守られる。警察官である彼女が寄り添うことは、手塚の守りになるだろう。手塚慧が警護の手を回しているのは知っているけど、彼女の存在はそれをより強化する。
――――あたしはもう『マコ』で、手塚慧の彼女で、手塚と何の縁もゆかりもない女だ。
ただそれだけを言い聞かせるように繰り返す。
――――朝になって目覚めて――――酷く満たされた気持ちで温もりの中に居て――――ホッとした。こんなにホッとして安心しきった気持ちになれたのはマコになって初めてだった。ああ、ちゃんと眠れた――――……そう思って、もう少しだけ眠ろうと目を閉じようとして――――傍に人の気配がして飛び起きた。その後は発作が起きたからあやふやで…………でも、手塚が添い寝してくれてたんだと知って居た堪れなかった。
倒れたあたしは、手塚を離さなかったらしくて――――……。…………嘘、と思いたいけど、手塚はまるであたしのことはなんとも思わずに仕方なくこうしてた、と告げた。
嘘、と詰るには、蓋をした心の何かが、手塚の言ってることは本当だとあたしに教える。――――手塚を離さなかったのはあたし――――それは恐らく本当のことだと。
――――ごめん、と謝るしか出来なかった。
――――ごめん。
――――迷惑かけたわね。
手塚はあたしになんの興味もなく、ただ兄から頼まれてるから、と言っていた。
…………本当に記憶がないんだ、と思い知ってショックを受けている自分が居た。記憶喪失は聞いていたし知っていたからこそ、ここに来ることも自分に許せたのに、何を今更あたしは……と自嘲した。
手塚とあたしは、もう何の関係もない。
発作が起こった女の世話をしてくれたのは手塚の優しさだ。
優しさに甘えちゃいけない――――とにかく早く回復して手塚家を出れるように…………。
そう思うのに、夜になると発作が起きていて、朝になると包まれていた。
駄目だと思うけれど夜の発作は自分の意思ではどうしようもなく毎晩のように起こってしまう。でも、ここに居ると手塚が介抱してくれて眠れる…………。眠れる分少しずつ回復していく。
――――矛盾しているわ。歪んでる。
わかっているのに、夜の発作が起こってしまう。あたしになんの興味もない手塚だけど、兄からの頼みを無下に出来ずに世話をしてくれる。発作の前後は記憶がないあたしは、一体どんな姿を手塚に晒すのか――――……朝になると手塚が傍に居る毎日。
…………あれがいけなかったのよ。
今になって後悔ばかり――――。……手塚家で日を重ねていくうちに、少しずつ少しずつ、なんだか手塚があたしを見ているような気がする時が増えて来る。
そんなわけないわ、ありえないわ、とあたしの気のせいだと思って自嘲した。こんな愛想もクソもない可愛げのない醜い骸骨女を好きになるような男なんて居るわけないわ、と…………。
だけど、何かが狂い始めて――――……手塚の目を感じる時は増えていくばかりだった。
おかしいわよ、絶対に有り得ない、烏滸がましいにも程がある、何考えてんのあたし。
ただひらすら、そんな感覚を否定し続けていた。
『だって、手塚の傍には大槇さんが居るわ』
いつしか、それに縋るようになっていた。あんな美女が居るのに、あたしに特別な目を向けるわけない。
毎晩のように倒れる女に向ける憐憫よ――――不憫に思って気にかけてくれてるだけ――――……。

『好きだ』

まさか――――……。

あれはきっと間違いよ。
熱が上がってきていたから、そのせいで幻聴でも聞こえたのよ。
――――そう思おうとしても――――あの時のハッキリとした記憶はそうじゃないとあたしに教える。
映画を最後に、手塚家から出ようと思っていた。
手塚の目を感じるようになって、手塚を拒否し続ける自分が苦しくて、病院に戻ろうと思った。――――病院に戻ろうと思える程には手塚のお蔭で回復することが出来ていた。入院する病院を告げなければ、それでもう手塚と二度と会うこともなく終わる。
手塚の手は借りない――――鍵を締めるようになって、夜も1人で頑張ろうと思って――――でも眠れなかった。眠れなくても発作は起きなかったし、眠れない日々が続けばそのうち身体が睡眠を欲して昼でも夜でも限界になれば眠るだろうと思っていた。眠れない分、少し身体に支障が出て眩暈や貧血は起きていたけれど発作でない限りあたしにとって大した症状でもなかったから――――……と思ったら、結局発作が起きてしまったらしく、鍵を締めていたのに手塚は扉を壊して飛び込んできてくれたらしく――――結局は迷惑をかけた。
やっぱり、駄目だ。
自分で、思い知った。
何もかも最後にするつもりで、最後くらいは手塚との約束を果たして終わろうと思った。
映画くらいなら――――座っているだけだし。
手塚との本当に最後になる時間――――だけど着ていくお洒落な服もなかった。溜息を吐いて受け入れる。
マコがお洒落する必要なんかないもの。
いっそ寝間着で行って完全に幻滅させる? なんて考えたけれど、一緒に行く大槇さんまで恥ずかしい想いをするのは申し訳ないし止めた。1着だけある外出着を用意した。
なのに、昼ご飯を食べてから少し気分が悪くなってきた。片付けも終えて手持ち無沙汰の家政婦2人と話をしていたけれど、少し休みたくなってきた。晩御飯の準備が要らない2人は今日の仕事はもう終わっていることだし、今日くらい早目に帰っていいわよ、とあたしが言って帰らせたのだ。あたしも夕方から外出するから今のうちに少し休んでおきたいし、時間までゆっくりするわ、と言って――――……。
ベッドに入ると、珍しくうつらうつらと眠っていたようだ。起きたら4時前でビックリした。ああ、あたし1人でも眠れるわ――――ぼんやりとそう思って…………安堵しながら口の中がカラカラなのに気付いた。酷く喉が渇いていて――――水を、と思って上体を起こそうとして――――なのにグラリと傾いた身体はまたベッドに沈み、グルグルと回る視界に眩暈だとわかった。眩暈が少し治まるまで待とうと思い寝たままで居ると――――はぁはぁと言う煩い雑音が聞こえてくる。はぁはぁとただその音が続いて――――それが自分の呼吸音だと気付いた時には、ぶるぶると震えている身体にも気付いた。寒い――――なのに、身体は酷く火照っていて熱い――――はぁはぁとした呼吸しか出来ない。
おかしいわ――――……。
思って、思ったけれど、それ以上の思考が湧いて来なかった。
しばらく寝たままで様子を見て――――あまりにはぁはぁとする自分の呼吸音と汗が滲むような熱さに、ああ、熱があるんだと自覚した。
薬を――――と思うけれど、眩暈がして立ち上がれない。酷く身体が重くて、上体を起こすことも億劫で、でも酷く喉が渇いて――――……
……はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……
どれくらいそうしていたのか、わからない。また少しうつらうつらしていたような気もする。
ふと気付けば、もう身支度をしなくちゃいけない時間。
這うようにして、なんとかベッドから出た。
とにかく、水を――――薬と…………。
そう思うのに、身体が思うように動かない。こんなに自分の身体は重かっただろうか。
リビングに辿り着いただけで疲れ切っていた。
休むためにソファに座って――――座ることも苦痛で、沈み込む。横になると、またうつらうつらと思考が途切れる。
……はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……
ふと気付けば、もう、待ち合わせの時間だった。
奪われる思考力をなんとか掻き集めて、手塚に電話を入れる。
すぐに出た手塚は、次の瞬間、何かを感じたのか、すぐに家に向かおうとしたのがわかった。
慌てて、体裁だけでも整えないと、とそればかりで必死になって自分の部屋に向かう。重い身体を引き摺って、崩れそうになる膝にふらふらしながら必死に足を動かして――――だけど、自分の部屋までが酷く遠く――――。
あたしが自分の部屋に辿り着いた時には外で車の止まる音が聞こえて慌てた。玄関の開く音、走る手塚の足音――――真っ直ぐにあたしの部屋に向かって来る。
動揺した。こんな姿を見せたくなかった。きっと酷い顔をしてる――――……。
だけどすぐに手塚はあたしに気付いて近づいてきた。
身体が固まってしまうあたし。
そんなあたしに――――手塚は手塚の中の激情を堪えるようにしてあたしを閉じ込めて、魂を絞り出すような声であたしに話し掛けてきた。叫んではいなかったのに、手塚の悲痛な叫びに聞こえた。
『…………そんなに、俺が嫌いかよ?!』
…………意味が解らなかった。
嫌われるように仕向けたのはあたし。
嫌われるのはあたしの筈だ。
立っているのがやっとのあたしに向かって手塚の顔が近づいて来て――――もうわけがわからなかった。
触れられるギリギリのところで、手塚はあたしの耳元に顔を逸らして――――手塚の魂をあたしに注ぎ込むかのように言ったのだ。

『好きだ』

ドクン、と、射抜かれた。
完全に心臓に突き刺さった。
駄目だ。
ただそれだけ。
ずっと自分に言い聞かせて来た、ただそれだけしか、思考力がなくなっていたあたしには浮かばなかった。
それは、駄目だ。
だめ――――……

…………後のことはほとんど覚えてない。
気付けば病院で、あたしは指一本も動かせなかった。
意識が戻ったあたしに、お母さんが傍に来てくれた。
…………また泣かせた。
手塚のことは、お母さんからも、看護婦さんや先生までが教えてくれた。
あの時あたしは倒れて――――手塚が運んでくれたのは容易に想像が着いた。
手塚がずっとずっと傍に居たことは皆が教えてくれた。
でも、だからって、会えない。
手塚とは終わりにする。
そう決めたのだから。
――――お母さんから、あたしが倒れたせいで、手塚の記憶が戻ったと聞いた。
嘘だと思いたかった。
だけど、お母さんは嘘は言わない。
婚約破棄も伝えたと言っていたし、手塚は今はあたしの身の安全を第一にそれを承諾すると言っていたと聞いた。
ホッとした――――手塚は婚約破棄を承諾した。
…………良かったわ…………良かった。
これで良かったの――――。
ただそれだけを思って湧き上がる他の感情は全部閉じ込めた。
その言葉通り、手塚は会いには来なかった。
それでいいの。そう思ってた。
だけど、高山さんから手塚が会いたがっていることを聞き、手塚からのアレンジメントの花篭には、『会いたい』と手塚が直筆で書いたカードが添えてあった。
…………意味が解らなかった。
…………婚約破棄は承諾したんでしょ? 会いたい理由がわからない。
『会いたくない』
あたしは『会いたくない』。そう思って――――でも、なんで涙が出るのかわからなかった。
なぜ、そのカードを何度も見直すのかもわからない。
こんなカード、破ってしまいなさいよ。…………そう心が指示するのに、カードを手に取ると何かが溢れそうで震えて破れなかった。破って貰うことも出来なかったし、捨てることも出来なかった。
――――『会いたい』――――手塚はどんな気持ちで書いたの?
――――『会いたい』――――それは手塚が書いた言葉だ。
少し几帳面で丁寧な手塚の文字。
たった4文字を見つめて、涙が零れる意味が、自分でわからない。
たかがカードに心が書き乱れるなんてオカシすぎる。
でもあたしは、会わないと決めていた。
絶対、会わない。
もう終わりにする。
本当に、手塚とは縁を切る。
このまま回復して――――許可を出して貰えたら、このまま柴崎の家に帰ろう。
もう、あたしの人生と手塚の人生が交わることはないと…………。
でも、1週間を経たずにアレンジメントが届く。
要らない、止めてよ。――――そう言っても、お母さんは「せめて受け取るくらいは気持ちなんだしね」と言う。
嫌だ、止めて――――何度もそう言っていたら、「そこまで拒否しようとするけどね、でも……お前、この花を見ている時が一番ホッとした顔をしてるよ。しょっちゅう花を見ている自分に気付かないかい? この病室の中で一番お前が好きなものだろう、その花は」と言われて黙るしかなかった。
そう――――手塚からのアレンジメントは、見た目が美しいだけのものじゃなくて――――あたしの好きな香りを漂わせていて落ち着くのだ。
手塚が自ら選んで、高山さんに持たせるらしい…………高山さんと日増しに仲良くなるお母さんが、高山さんから聞いたと言って教えてくれた。
一番最初に贈られたアレンジメントは、そんなことのない可愛くまとめられた普通のものだった。それこそ花屋さんでよくあるもの――――それが、バラを中心とした上品なものに変わり、ほわりと漂う香りに、すぐに気付いた。
――――あたしの好きな香り――――
その香りにホッとするあたしが居て、傍にあると気持ちが和らいで癒される。色のない病室の中でそれだけが美しくてつい目がいく。悔しいけれど、確かにこのアレンジメントが傍にあると落ち着くのだ。
手塚が自分で選んでくれているらしい…………手塚が花屋にしょっちゅう行くなんて想像出来ないけど、でも、少しずつ花が違ってもいつもあたしの好きな香りなのは変わらなくて――――そして、いつも手塚の直筆のカードが添えられている。
そのカードを目にするたびにあたしは目一杯拒否する素振りを見せることで、なんとか自分の中で体裁を守っている。早い時は3日くらいで届くから、カードはもう片手を超えてる。――――結局、捨てることも出来ずに溜まっていってる――――……。
夜になると、アレンジメントの香りが漂ってきて、あたしを守ってくれる。病院にいるのに発作はあまり起きなかった。眠れない時もカードを見てひっそりと泣いていればそれ程怖くはなかった。手塚とはこのまま終わると自分に言い聞かせる時間が、恐怖が湧き上がる余裕を奪ってくれて丁度いいのかもしれない。
手塚は記憶が戻って、でも、婚約破棄を受け入れた――――今更『会いたい』なんて――――今までありがとうって別れの挨拶のつもりかもしれない。
…………そんな挨拶なんて要らない。ひっそりと去る。
婚約破棄を突き付けたのはあたしなんだから、あたしに妙な気なんか遣わなくていいのに。

――――そう思おうとする自分がいる一方で、でも、最後に手塚がマコに向けて放った言葉が甦って心が乱れる。
なんで、あたしの中の手塚の最後の記憶が、あの三文字なんだろう…………。

…………でも。…………記憶が戻ったってことは、マコを好きだと勘違いした手塚は、もう居ないかもしれないわ…………。

そう思ったこともあるけれど、お母さんから聞いたところでは、記憶喪失中の記憶も手塚にはあるようだと言っていた。マコだったあたしの記憶もちゃんとあるって――――……。
記憶喪失、というのが治るとどうなるのか、あたしにはわからない。
でも、記憶喪失の間の記憶が抜けている方が手塚にはいいと思う。…………だって、倒れてばかりの病人マコへの憐憫を勘違いしちゃって――――好きだ、なんて告白までしただなんて、楽しくもなんともない記憶だろう…………。

――――手塚がマコを本当に好きな訳ないわ。

自分の中の思考が千路に乱れる。
平静を保つには、とにかく蓋をしたものは見ないことだ。
時々勝手に涙が零れるけれど、それも病気のせいで感情が纏まらないことにしておく。
手塚から届く『会いたい』には『会わない』と自分にひたすら言い聞かせる。ただそれだけ。
最近ではお母さんまで「――――どうしてそんなに、頑なに会わないって――――それはお前が、今でも手塚さんへ特別な気持ちを持ってるって言ってるのと同じだよ」なんて言い出した。
蓋をしているのにカタカタと鳴る気がして、必死に押さえつけて反論する。
「…………会うことに意味がないからよ…………お互い、時間の無駄だわ…………さよならって言うだけだもの」
そう言うと、最近では「じゃあ、ちゃんとさよならを言うために、1度くらいちゃんと会ってあげなさい」なんて言い出す始末で――――。
――――しかも個室に移って面会出来るようになった高山さんまで、光さんと会ってあげて欲しい、というようなことを言う。
「……近しい知り合いならお見舞いはして当然ですよ。光さんは手塚家に来たマコさんをずっと見て来たんですから、お見舞いくらいさせてあげればどうですか」…………なんて。
会いたくない。
会ったって、さよならを言うだけよ。
…………最近は、そう思うだけで涙が零れそうになるから、夜にしか考えないようにしている。
――――酷く弱い自分を見せつけられる――――さよならを思うと、あたしの中で抑えられない何かがざわめいて、熱いものが目の奥から湧き上がって零れそうになるなんて――――
『スッパリと切る』『もう切れた縁』――――そう何度も言い聞かせているのに、なによこれ。どうしてこんなに動揺するの。あたしらしくもない。
手塚とあたしは、もう終わったの。
手塚とはこのまま会わずに、ひっそりと去っていきたい――――……
会ってしまったら、ともすれば蓋をこじ開けようとする心の中の何かが飛び出しそうで――――こんなことを想うだけで、カタカタと蓋が揺れ動く気がして何重にも蓋を包んで絶対に開かないようにする。

とにかく、あたしは、手塚とは会わない。

そう思うのに、お母さんも高山さんも、あたしを揺さぶる。
――――そして。
揺れるあたしに、懐かしい人達からの声が届いて、更に動揺してしまったのだ。


マコさんへ
関東図書基地特殊部隊所属 堂上郁 三等図書正です。
いきなりのお手紙ごめんなさい。
今日は手塚のことでお願いがあって筆を取りました。
本当は直接会いに行って頼もうかとも考えましたが、
手塚が会えずにいるのに私が先に会うのはおかしいので、
こうしてお手紙をすることにしました。
聞いて貰えなかったら、次は直談判しに行きます。
今、手塚は、婚約者の事件解決に向けて必死に動いています。
事件が解決して、安全な社会にするためです。
毎日の仕事に加えて、事件解決に向けて奔走していて、
精神的にもきつい毎日のようです。
事件解決と言う目標があるから頑張っていますが、
最近少し無茶をしているような気もします。
なかなか成果も見えず、精神的に追い詰められてはいないかと、
特殊部隊の方でも心配しています。
手塚らしくない疲労が見える時もあります。
せめて、会ってあげてくれませんか。
手塚の話を聞いてあげて下さい。
手塚が今、一番苦しんでいるのは、マコさんに会えないことだと思います。
今の手塚の一番の望みは、マコさんに会うことで、
それも叶わず、事件解決の糸口も見えず、手塚は苦しそうです。
会って話を聞いてあげるだけで手塚も楽になると思います。
会いたい癖に、マコさんの許可が下りるのを、
手塚はずっと待っています。
どうか、会ってあげて下さい。
堂上郁


――――どういう…………。
手紙の話に動揺した。
読みながら手が、身体が震えた。
お母さんから、手塚が『柴崎麻子が安全に生きていける場所を取り戻す』と言っていた、とは聞いていた。
そんなの出来るわけない――――……。
出来るわけないのよ。
…………手塚は何をしてるの?
危ないことに手を出していないだろうか。
記憶を取り戻した――――それはすなわち、事件の犯人がそうと知れば、手塚を狙ったりしない……?
…………まさか……犯人を見たりしてないわよね……?
思って恐怖に駆られる。
犯人が今度は手塚を狙うとか――――。
もしも、あたしに向けられていた筈の銃口が、手塚に向かったら――――……。
思っただけで悲鳴を上げそうになるくらい、怖い。
無意識に口を押えてしまう。口を塞ぐ手が震える。
…………何もしなくていい。
…………事件なんか、解決しなくていい。
あの事件は薄々、松和会か麦秋会の手の者がやったことだとはわかってる。
あたしが狙われていて――――あたしさえ死ねば、これ以上、事件は広がらない筈だ。
あの時の銃口は、手塚慧でも手塚光でもなく、柴崎麻子に向けられたんだから。

――――もうやめて。

調べなくていい。
動かないで。
事件が解決しなくても問題ないわ。
警察には悪いけど、別に今のままでも支障がある人なんか誰もいないじゃない。
手塚には、このまま平和に幸せに生きて欲しい。
ようやく、検閲抗争もなくなったのよ。
命を危険に晒されることなく、ようやく人生を安心して過ごしてゆける――――。
柴崎麻子は死んだの。
サイキマコは別人。
手塚が身を削るようにして、事件を解決しなきゃいけない理由なんかもうない――――。
必死になって事件を解決しなくていいの。
…………手紙には、もう1枚、寄せ書きのように何人ものメッセージが添えられていた。
懐かしい図書隊の――――特殊部隊で手塚に縁のある人達が皆、手塚の様子を端的に書いてくれていた。
不調な手塚を気にかけて、根を詰め過ぎて無理して体調を崩さないか心配するような内容が多い。
図書館協会、図書隊、そして警察、他にも――――抱え込んでいる手塚の様子がわかる。
みんなに心配をかけるくらい、手塚が無茶をしてるってこと…………?
追い詰められたように、身を削って調べてるってこと…………?
心配と不安でいっぱいになる。

やめさせなきゃ。

警察に協力くらいはしてもいい。
だけど、手塚が自ら必死になって動く必要なんかどこにもない。
手塚が事件解決の為に奔走する必要はない。
図書隊の人達が心配する程のことをしているなら、やめさせなきゃ。
もう、柴崎麻子は死んだんだから、必死にならなくていい――――。
『柴崎麻子は死んだ』
あたしの口からそう言えば、わかってくれる?
あたしの生きる場所なんか要らないって、あたしはサイキマコとして生きると言えば、手塚も諦める?
あの事件はもう終わっていて――――終わりにしたい、と言えばいい?

あたしはもう、手塚光と一緒に居る気はないって――――。

ズキリ、として、ガタガタと蓋が揺れる。
胸の形が潰れる程押さえて、抑え込む。
乱れそうになった呼吸を、ゆっくり吸い込んで吐いて、気のせいにする。

あたしはもう、あんたにさよならをした――――。

目を見て、顔を上げて、ハッキリと言わなきゃいけないのかもしれない。
それはもう揺るがないのだと、手塚にわかって貰うために。

――――最後に、会って、ちゃんとさよならする――――

また胸が痛む。
でも、気のせい。
今は身体が弱ってるから――――そのせいだ。
蓋をしたものは布で包んですっかり隠してしまおう。そんなものがあったことすら忘れてしまえばいい。

そう決意して、あたしは、手塚に1度だけ会うことにした。
もう二度と会わない。
柴崎麻子の生きる場所なんか要らない。
だからもう、このままで。
終わったの。
事件は終わったの。
もう何もしないで。
このまま平穏に――――。
それを伝える為だけに、1度だけ会う。

本当に最後。

…………これで最後……。
また、チラリと鏡を見る。
病気でやつれ果てた女の顔だ。
サイキマコ。
これがあたし。
生きることで精一杯で、それ以外のなにもない。
なにも――――何一つ、残ってない。
空っぽだ。
ただ生きながらえているだけの女だ。


コンコン、とノックがしていつものようにお母さんと高山さんが入って来た。
「おはよう、起きてるよ」といつものように声をかけることが出来た。
何も変わらない。
――――なのに、いきなりの爆弾。
「おはよう。……あのね、光さん、もう待合室に来てたよ。まだ面会時間じゃないからって遠慮してて――――落ち着かなくて早くに来てしまったんですって。個室だから面会時間を気にしなくても大丈夫なんですよって連れて来たの。
――――あら、まだ遠慮してるみたいね、光さん?」
お母さんがそう言って、高山さんが扉の外を覗いて手を引いて――――ゆっくりと扉の所に長身の人影が立った。
躊躇いがちにゆっくりと足を踏み入れて――――でも真っ直ぐにあたしを見て、少し困ったような顔をしていたのがほわりと照れたように和らいだ。
「……おはよう――――早過ぎて……ごめん……けど――――お前に会えると思うと……嬉しくて……」
「~~~~っ!!」
手塚のはにかんだような笑顔に、ドキン! と胸が高鳴る。
~~~~なんで…っ、こ…こんなの…っ……、……は、反則じゃない……っ……!! 
まさかこんなに早くから来るなんて思ってもみなかった。
不意打ちだ。
隠して存在を忘れようとしたはずの箱の蓋が、またガタガタと揺れるのがわかった。主張するように、早く開けてと揺れ動いている。
~~~~っ!!
思わぬ強襲にプチパニックになってしまったあたしは、さっきまでの決意やら覚悟やらもすっかりぶっ飛んでしまって、言葉をすっかり忘れてしまったように、ただ手塚を見つめることしか出来なかった。



……To be continued.







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05:10  |  *『図書館戦争』二次小説  |  TB(0)  |  CM(9)  |  EDIT  |  Top↑

★Re: もう一度、恋に。

アリアアリス様

ありがとうございますー!!!
今回、皆様から柴崎が可愛いと思って貰えることが多かったみたいで、本当に嬉しいです!
ホッとしてます。
この頃の柴崎(マコさん)は、とりあえず周りを遮断しようとしてるせいもあるんですけど、いつもの柴崎のようにあまり周りの事も見えていないところがあるので、そういう少し勝手に突っ走ってしまってるトコロのある柴崎を、そうやって受け入れてもらえたんで………………というか、そういう柴崎は次でわかるのか…………手塚に会っての柴崎も、可愛く書ければいいんですけど、、、、まぁ今の柴崎は今の柴崎なので、どう見られるかは、後からついてくるもんですけどね((((^^;)
でも、心の奥底の気持ちは、やっぱり柴崎も変わってない(変われる筈もない)ので、見守ってあげて欲しいですね。(お前がちゃんと書けばって話ですが…((((^^;))

> なんですかね?この冒頭の「初デート前」感(フフっ)
笑!
まぁ、ドッキドキのマコさんですしね(笑)
アリアアリス様も気付いて下さっているように、お母さんも高山さんも、ちゃんと柴崎の乙女心をフォローしてくれて、髪を洗ってあげてるわけですヨ!(ソコ?! 笑)
すっかり病人生活になってて、お風呂も入れてないとか、そういうことが気になっちゃう乙女心も同じ女同士わかってあげられますしね~~~~きっと、保護者2人は微笑ましく見つめながら「ったく、好きなのに~」とバレバレな柴崎の背中からガンバレガンバレ応援すべく、あれこれ世話を焼いているのかと(笑)

> それにしても、柴崎視点で再度手塚記憶喪失のところ読むと...
ありがとうございますー。
本当にその頃が一番、柴崎は柴崎だけの気持ちで切り捨てちゃっているので、そうやって柴崎の心情に共感して貰えると本当に嬉しいです!!!

> 理性と本心が正反対すぎて、心と体が食い違っていく柴崎。
> 本当に、良くはないけれど重症であったが為に柴崎が手塚から去らなかった。のが救いですら感じるほどでした。
……ありがとうございます。本当に実は私もそう思ってるので……そう思ってくれてありがたいです。
手塚が記憶喪失の時点で、柴崎の体に無理が利いていたら、もう、何も言わずに手塚の前にも現れることなく去っていたと思うので、動かせない体調は実はあの時の手柴には良かったことかもしれないと、私も思っています…………。
そういう柴崎だと思うし…………。
なので、手塚のお蔭で元気になってきても、元気になると無理をするから(離れようとするから)身体も心も悲鳴をあげるのかな、と…………。
最後は、離れよう、もう手塚家から去ろうと決意したものの、眠れないし体調が急降下するのを隠そうとしてまた身体に負担をかけていった結果かもな、と思ったりもしています。
手塚にとっては、限界に来ていたマコさんの体調に気付かずに「自分から離れる・切ろうとしている」ことに怒りや悲しみをぶつけてしまった挙句の緊急入院で、手塚にとっては痛い記憶となったマコさんを一方的に口で責めたあのことは、でも、アリアアリス様も仰るように、あの時点で手塚が爆発してしまって告白出来たことで、結果的にはマコさんの中で緊急入院となった病院生活の中で気持ちの支えになっていると思いますね。どんなにやつれ果てて醜くなったと思う自分でも、その自分目掛けて記憶も戻っていないのに自分のことを好きになっていった手塚に、もちろん戸惑いや駄目だって気持ちが強いけれど、でも、自分のことを好きになってくれた事実が事実として残っていることで、今の自分も肯定して貰えたんじゃないかなって、許されたんじゃないかなって、マコさんの心のどこかで救いになっているような気がするんですよね。
…………実は、いい仕事したんだぞ、手塚!(笑) と褒めてあげたい(どこまで上から目線(笑))
まぁ、、、、、柴崎の方の気持ちは、蓋をして駄目だと思っているだけで、変わった訳でもなんでもないので、とにかく手塚が会ってちゃんと話をして、その蓋を重石から軽石に変えてくれるといいな、と私も思います。
しかし、重石から軽石…………アリアアリス様、上手すぎ!!!!(笑)

ツンデレラ |  2017年01月16日(月) 09:43 | URL 【コメント編集】

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 |  2017年01月15日(日) 23:14 |  【コメント編集】

★心配解ります~!(苦笑)

しおしお様

すっかり明けましたね! おめでとうございます(笑)
いえいえ、全然気になさらないで下さい~~~~お気持ちもわかります!
このお話の手柴は、現在、ついつい心配しか出来ないような感じになっているので(それも私自身がよーくわかっているので)、大丈夫かな? ちゃんと手柴はお互いに正面から向き合えるかな?
と心配になってしまうのもわかりますし、そういう心配しかコメント出来なかったとしたらツンデレラには(読みたくないのでは?)と思われるかもしれない、と思えば、いろいろとコメントもしずらいしってとてもわかりますー!!
とってもとっても、気を遣って貰うようになっちゃって、すみません。……そして、このお話がそういうお話なので本当にすみませんです。でも、あからさまに「不愉快」だと仰った方はもう来ていないでしょうし、あれからはまったくそういうコメントもなく、申し訳ない~~って言いながらもこうしてこのお話を私の好きに書かせて貰ってるのは、温かく見守って下さっている方々のお蔭です(*^^*)
本当に、私の好きにお話を書かせて貰っていて、それなのに温かく見守って続きもずっと読んで下さっている方々がいる気配があるので、こうして書き続けられています! ありがとうございます~m(__)m
本当に皆様優しくてありがたくて、感謝しかないです。
今回は、そうですよね、ようやく久々に柴崎目線での振り返りでしたから……手塚目線と全然違うんですよね。
手塚はあの記憶喪失中、ずっと悶々と悩み続けていましたが、マコさんからすれば、手塚は何一つ悪くなかったんですよね。マコさん(=柴崎)は、一番悪いのは何もかもを全部隠して偽ってそこにいる自分だとわかっていたので…………なので、手塚はずっと悩んだり悶々としたりしていた時間も、マコさんにとってはこれっぽっちも手塚を悪いとは思ってなかった時間で----むしろ、手塚の目が自分に向き始めることで、手塚の想いとは真逆に「自分で自分を追い詰めてしまった」のであって、そこに手塚のせいということはまったくないのだと自分だから知ってたんですよね~~~~。
でも、手塚目線では絶対に出てこなかったことで、どうしても柴崎目線で、あの時の時間を振り返っておきたかったんですよ。
柴崎も、手塚が嫌いで婚約解消をしたわけじゃない自分をよーく知っているし(蓋はしちゃいましたけどね(苦笑))。
だから、自分の気持ちを全然見ないで蓋だけして、手塚だけを切ろうとしてたから、マコさん(柴崎)自身も相当らしからぬ支離滅裂な思考や感情に振り回されてるんだと思いますよね~~~~。
自分の感情(愛情)の矛先を全然見もしないで、蓋だけしたけど処理も出来てない状態で、とにかく理屈だけ通そうとするから、かなりオカシナことになってるんだけど、そこを見てしまうと自分の愛情の先に手塚が居ることを認めてしまうことになるからやっぱり見れなくて、こんなオカシナ状態になってしまってて、それに気付いてない訳じゃないんだろうけど身動きが取れなくなっちゃってるマコさん(柴崎)って感じでしょうね(苦笑)
そういうグチャグチャな気持ちを抱えたマコさんのことを、
> 「柴崎さん可愛すぎ~。」と朝から悶絶
悶絶して下さってありがとうございますー!!!
良かったです、こんなぐちゃぐちゃした素直になれないで悶々と考えてるだけの柴崎を可愛いと言って貰えて本当に嬉しい!!!

> もちろんお互いの気持ちが分かったところでまだまだ試練があるんでしょうが、生きる意味になりますよね。
…………鋭い(笑)。
です(笑)。
もちろん、マコさん(柴崎)がそんなに簡単に素直に手塚を求める訳じゃないから、まだまだ手柴で寄り添って、は先になるのですけれど、それでも、今のぐちゃぐちゃなマコさん(柴崎)の気持ちを手塚がどれだけ自分の気持ちを伝えることで解してあげられるか…………ガンバレ手塚(笑)かと思っています。
ガンバレー!!!と応援あるのみ……(笑)
続きは、久々の手柴なので、私も俄然書く気力が充実してますよ(笑)やっぱり、手柴ターンは書いていて本当に楽しいです……もちろんハッピーでない会話もいろいろありますが、それでも…………ね。(苦笑)
なので、是非是非、続きを見に来てやって下さいませ。

京都市南部でも、雪景色です…………京都だけど南部は雪はあんまり降らないので、今日は家に閉じ込められる感じ…((((^^;)
雪に弱い地域ですが、子供は大喜びで雪遊びかな(苦笑)
お互いに、時折襲う大寒波とインフルエンザにはくれぐれも注意して、この冬を乗り切りましょうね~!!!
ツンデレラ |  2017年01月15日(日) 06:48 | URL 【コメント編集】

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 |  2017年01月15日(日) 00:44 |  【コメント編集】

★きちゃいましたね…

Sauly様

そうなんです、ウチは手柴でないと私が全然書けないので、必然的にそこは揺るがないです(苦笑)
Sauly様の方のお話は、多分、柴崎は車ごと爆死…………かな、と思っていたので、正直かなり身構えながら読みましたので、なんとか読めましたよ。
でも、爆破で終わっていたので、まだ生きている可能性は捨てていませんよ、私(…とSauly様に切実に言っている★苦笑)。
生きている可能性は捨ててませんので(二度言いました(笑))

ところで、動画、なんとか見ました!
ビクビクしながら私が見ました(苦笑)
思ったよりもソニーの死体が丸見え状態とかでなくて、割と分かりにくい角度でしたのでホッとしました。
ドンの……表情が素晴らしいですね、確かに!!!
無言で、眉の動きだけで表現するのかー!って感じでしたね(いやもう、客観的な感想を考えながら観ないと、怖くて見れないし、とにかく論評する人のような気持ちで見ていましたよ(苦笑))
男は黙って悲しみに耐える、というのを、目で見るとああいうシーンになるんだな、と。
役者って凄いって思いました(……ホント客観的視点で、すみません。ドップリ入ると怖すぎるし)

Sauly様のお話は、先程も言いましたように、かなり覚悟して読ませて貰ったので、ああ、やはりあのシーン…という感じでした。
ああ、車は駄目だよ柴崎……と唱えながらも、そのように話は進んでいくし、なかなか辛かったです。
いやでも、何度も言いますが、まだ生きている可能性は捨ててませんので。
(もちろん、ゴッドファーザーでは、ここで死ぬことも知っていますが)
生きていて、手塚が闇に染まって行くのを見るのも…………それも辛いと思うし、そう考えると救いようもない悲しさしかないのですけどね。
ゴッドファーザーは、こういう悲哀のお話ですもんね。。。。。
と、Sauly様のお話を見て、ゴッドファーザーのお話を再認識させて貰う私でした(苦笑)
全然違うお話でごめんなさいね~~~~。
とてもとても、私にはやはりゴッドファーザーは無理ですし、風味だけ権力に巻き込まれる手柴で、その中で2人が結ばれるようにしか、とっても無理だと思います…………はぁ(溜息)

ツンデレラ |  2017年01月12日(木) 13:58 | URL 【コメント編集】

★ああ、まさに、その頃の…!

ママ様

うわあ……ママ様から言われて、その頃の堂上さんの気持ちをちょっと考えてしまいましたー!
そうですよね、本当に気持ちに蓋をして郁ちゃんに辛く当たっていた頃の堂上さんは、郁ちゃんと手塚がじゃれだした頃、どんな想いで見ていたでしょうね。
手塚が(まったく気持ちは籠っていないけど)「付き合わないか」と郁ちゃんに言った頃は、本当に痛手だったと思うし。
まぁ……堂上さんの場合は、気持ちが抑えられなくて理性よりも勝っちゃった行動や仕草で、郁ちゃんはもうキュンキュン来まくったので、ホント、手塚に対しては「初めて男の人に告白された」というドキドキ以上にはならなかったわけですけど(笑)
それでも、そういう心の内は他人は見ることが出来ないから、堂上さんにしたら本当に嫉妬、とかヤキモキとか、そういう問題じゃなくて辛かっただろうなぁ……と思いますね。
自分は郁ちゃんから離れよう、郁ちゃんを引き剥がそうと思っていた訳ですしね(いやでも、あからさまに1人に対してだけ態度違うとか、普段の堂上さんからは考えられないその行動や仕草でタスクメンバーにはバレバレで失笑を食らっていたでしょうが…(苦笑))
その頃があって、その頃のツンツンぶりとは打って変わる甘やかしようとのギャップも、堂郁のツボなのでしょうけれどね(笑)
まぁ、その頃の堂上さんよろしく、柴崎も今、離れよう、引き剥がそうと思っている訳なんですが…………柴崎が今は完全体ではないことが少し幸いしていますよねぇ…………柴崎が完全体だったら、絶対手塚は切られて、柴崎が消えた痕跡すら見つけられなかったんじゃないかと思います(…いやそれは、手柴スキーの私には耐えられない…………)。
只今、生きていることが大変な身体の状態だからこそ、ボロボロと本音を周囲に解るほど残してるから、周囲も背中を押そうとしたりとかするわけですが、完全体の柴崎が相手だったら本当に誰にも頼らずに一人で忽然と消えそうです…………怖い怖い……。
というわけで、今のうちに(?)手塚には柴崎を確保して貰いたいです!!

> 息を吸うように手塚が側に居たから立ってられたんですよね。
ママ様のこの言葉、格言ですね!!!
……そうなんだと思います。
唯一の安心できる場所があったから、なんとか体調を少し回復出来たのだと思います。
そうでなかったら、あまりの恐怖に本当に身も心もボロボロになって廃人のようになってしまっていたかもしれない……。
少し体調を取り戻すと、なんとか離れようともがくけど、ママ様も仰るように、唯一の安心できる場所を取り上げられるとまったく身体が付いていかないのでしょうね……。その挙句の無理をした反動が大きく出てしまったのではないかと私も想像しています。

柴崎のお母さんは、やはりかなり体力的にも気力的にも参ってしまっている娘を感じているだろうし、母にとってはやはり娘第一なので、本当に慎重に接していると思いますね。あからさまに、勝手に手塚を連れて来るとか、そういう柴崎の気持ちをキチンと納得させないと上手くいかないコトも、これまで育ててきた経験からもわかっていると思います。だから、家政婦とは違って、ガンガン押せばいいというものじゃないこともわかっているだろうし、納得した上で会わないと絶対にうまくいかないことも知ってるんだろうな、と。外面女王の柴崎でしたけれど、母親には頑固なトコロとか意固地なトコロとか素直じゃないトコロとか、やっぱり家族には見せていると思うし。
だから、柴崎がちゃんと自分から目を向けるように、あまりにあからさまにならないように背中を押しているんだと思いますね。
今の柴崎の態度の端々から、本当は手塚を求めている様が見えていると思うし。
高山さんはその点、他人の目でグイグイと押しますけどね(苦笑) まぁそれでも、高山さんでも、手塚は遠慮なくグイグイ背中を押すけど、マコさんにはやはりイマイチ強引には押せ切れないようですが(苦笑) そこはやはり接する人の雰囲気とかタイプとか感じ取ってのことなんでしょうね。

> 手塚の中で婚約破棄は別れではなく……
ええ、そうだと思います!!
一旦、白紙に戻したところで、手塚は揺るがない、と自負もあるのかも(笑)
柴崎の気持ちがどうであれ、自分の気持ちには自信があると思いますから、ここは一旦引くけど、諦める訳じゃないから、としっかりと割り切っているような気がしますね。
婚約してるとか、してないとか、そういう問題よりは、手塚にとっては「麻子をどう守っていくか」の方が大事なんだと思うし。
なので、柴崎は「手塚が婚約破棄を承諾した」=「自分と縁を切る」だと思っていますが、手塚はそうは思ってないのですよねぇ。そのあたりは、2人でしっかりと話し合って貰いたいと思います(笑)。

> 余計な事を考えて相手の気持ちを蔑ろにしてる。
そうですね、今の柴崎は、やっぱり少し何も見えていないところが多々あるように思いますね。
自分のことで精一杯なので、やはり、いつもの柴崎のようにすべてが見えている訳じゃないというか、本質が全然見えていないというか(苦笑)
手塚の気持ち、という一番大切なことをすっぽりと抜かして考えているということを、手塚に会って、ちゃんと話して、気付かされるんじゃないかな、っていうか、気付かされるといいな、と思っています。

> 郁ちゃんの手紙。
そうなんですよー。これ、すっごい悩んだので、そう言って下さって嬉しいです!!
もしも、手紙が他人の目に触れることも考えるとね、郁ちゃんがマコさんに手紙を書く、という構図すら不自然でないように、それでいてマコさんに(柴崎に、と書けないのですよ、、、万が一でも犯人が手紙を見たりとかした場合のことを考えるとね)手塚に会わせるようになんとしても薦めたい訳で、そうなると、同僚としての手塚のことが心配だから、手塚の心配の現況になっている貴女に手紙をしました、という構図が一番不自然じゃないかな、と考えたかと思って…………。
手紙は、柴崎のお母さん経由で柴崎の手に渡ったと思います。郁ちゃんは柴崎のお母さんの連絡先は知っているので。
それでも、もしもを考えてて、マコさんが柴崎だと知ってるよ~というようなことは書けないし、言いたいことはもっとたくさんあると思うけど、敢えて今は、手塚に会って貰うための嘆願書的な立ち位置に立ってんだと思うんで…………。
でも、郁ちゃんの後押しは絶大(笑)
そして、柴崎にとって、本当に懐かしい図書隊の面々の一筆とか…………。
そりゃもう、流石の柴崎でもグラグラ来て会っちゃうよ(笑)。
柴崎のお母さん、高山さん、手塚からのメッセージカード、、、、そして、手紙で遂に柴崎の厚くて重い扉が開かれたわけで…………本当に面倒くさかったですけれど、このチャンスをなんとしてでも手塚にはキッチリと手にして貰いたいです!!!

ツンデレラ |  2017年01月12日(木) 13:44 | URL 【コメント編集】

★いつもありがとうございます(*^^*)

yikumi 様

コメント下さり、ありがとうございます!
昨年から始まり、昨年中に終わらず、既に40話も超えてきたこのお話に付いて来て下さって本当にありがとうございます!!
コメントをいただけるとグッと存在を近くに感じますけれど、無理して残して貰わなくても覗きに来て下さってる方が居るということで、本当にありがたいし勇気出ます!
このお話、ここまで来てしまっているし、ちゃんと完結させたいのですよね。ただ、あまりに長いし、yikumi 様や他の方のように、ここまで付いて来て下さっている方って少ないと思うんですよね…(((((^^;)
年末にも書きましたが、本当に「萌え」の少ないお話でもありますしね……。
でも、yikumi 様もこうして勇気出してコメント下さったお蔭で、手塚と柴崎を見守って下さっているんだ!とわかって、こうして付いて来て下さっている方が居るならば、本当に最後まで書ききろう! と勇気が出ます!
頑張りますね♪(*^^*)♪
ひとまずは、手塚とちゃんと話をして貰えるように頑張ります(笑)
やっぱり、柴崎が出てくると楽しい私でした!(笑)
まぁけど、このお話としては、ここでちゃんと仲直り(?)したとしても、お話はそれで終わりではないので(これまでのお話の趣旨がそういうんじゃないので)、まだまだ続くのですけれどね……。
本当に申し訳ないのですけれど、まだしばらくは、このお話の手柴を見守っていてやって下さいね……((((^^;)

ツンデレラ |  2017年01月12日(木) 06:26 | URL 【コメント編集】

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 |  2017年01月11日(水) 10:45 |  【コメント編集】

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 |  2017年01月11日(水) 09:15 |  【コメント編集】

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